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この人は、何をする人か

管理者は、何をする人か

まず、これだけ

条文に書かれている管理者の仕事は、2つです。「従業者と業務の管理を一元的に行う」こと。「従業者に決まりを守らせるための指揮命令を行う」こと。

つまり、管理者は「決まりを守らせる側」に立つ人です。職員が「なぜこんなに言われるのか」と感じる場面の多くは、この条文の形から来ています。

そして、管理者が現場に入るかどうかは、条文に書いてありません。そこは事業所ごとです。

やさしい日本語で読むくわしく読む

最終更新:2026年9月 / 高齢者支援実務研究所

もくじ

  1. ひとことで言うと
  2. 条文にある配置——常勤・専従、ただし
  3. 条文が決めている仕事——2つ
  4. 「決まりを守らせる」の中身
  5. 事故のとき、管理者に何が乗るか
  6. 条文が決めていないところ
  7. この人に頼めること/頼めないこと
  8. まとめ

ひとことで言うと

事業所全体の「人」と「仕事」を、ひとりでまとめて見る人です。 条文の言い方では「一元的に」。誰かと分けて持つのではなく、最後は管理者に集まります。

だから、運営指導(行政の確認)で対応するのも、事故を市町村に報告するのも、管理者の名前で行われます。  運営指導で、実際に何を見られるのか

条文にある配置——常勤・専従、ただし

指定介護老人福祉施設の基準(平成11年厚生省令第39号)第21条

管理者は、専ら当該施設の職務に従事する常勤の者でなければならない。 ただし、管理上支障がない場合は、他の事業所、施設等又はサテライト型居住施設の職務に従事することができる。

訪問介護・通所介護も同じ形です(省令37号第6条第94条:専従の常勤、ただし管理上支障がなければ他の職務・他の事業所と兼務可)。

「ただし」があるので、管理者が別の役目を兼ねている事業所は少なくありません。兼ねているかどうかで、管理者が現場に見える頻度が変わります。それは条文が認めている形です。

条文が決めている仕事——2つ

条文決めていること
省令39号 第22条第1項従業者の管理、業務の実施状況の把握その他の管理を一元的に行う
同 第22条第2項従業者にこの章の規定を遵守させるために必要な指揮命令を行う

訪問介護も同じ2つです(省令37号第28条第1項・第2項)。⚠ それ以上、条文は管理者の仕事を書いていません。「相談に応じる」「現場を見る」とは書かれていない、ということです。

「決まりを守らせる」の中身

第22条第2項の「この章の規定」とは、運営基準のことです。その中には、職員が日々触れているものが入っています。

「委員会が増える」「記録にこだわる」——職員から見た管理者の言動の多くは、ここから出ています。守らせる義務が管理者に置かれているので、そう見えます。意地悪ではなく、条文の形です。  なぜ委員会・指針・研修・担当者が、増え続けるのかなぜ看護師は記録にこだわるのか

事故のとき、管理者に何が乗るか

省令39号 第35条第2項——事故が発生した場合は、速やかに市町村、入所者の家族等に連絡を行うとともに、必要な措置を講じなければならない

主語は「施設は」です。施設を代表して連絡と措置を行うのが、管理者の立ち位置です。発見した職員が背負うものではありません。

だから、ご家族への説明に、発見者をひとりで行かせない。それは管理者の仕事の側にあります。  事故を発見した職員のこころのケアご家族へのあざの説明

条文が決めていないところ

これらは、事業所の運営規程で決まっています。運営規程には 「従業者の職種、員数及び職務の内容」を書くことになっています(省令39号第23条第2号/省令37号第29条第2号)。 その概要は掲示されているか、ウェブサイトに載っています(省令39号第29条)。

この人に頼めること/頼めないこと

〇 頼めること

人手・用具・ベッドの高さなど、体制の相談(◎ 数字を持って行くと通ります)
ご家族への説明に同席してもらうこと
腰痛・けがの申告を受けてもらうこと
ヒヤリハットの結果を返してもらうこと
運営規程を見せてもらうこと

✕ 頼めないこと

医療的な判断
法令の決まりを外すこと(守らせる側の人です)
利用者ごとの計画を、その場で変えること

「決まりだから」と返ってくるのは、管理者がそう言わなければならない立場のためです。そのかわり、決まりの中でどうするかの相談はできます

まとめ

やさしい 日本語(にほんご)

1 ◎ どんな 人(ひと)ですか

事業所(じぎょうしょ)の「人」と「しごと」を、ぜんぶ まとめて 見(み)る 人です。

法律(ほうりつ)に 書(か)いて ある しごとは、2つです。
 ① 人と しごとを、ひとりで まとめて 見る
 ② きまりを まもらせる

2 ⚠ 「きまりを まもらせる 側(がわ)」の 人です

「記録(きろく)を 書いて」「会議(かいぎ)に 出て」と 言(い)われるのは、この 人が そう 言わなければ いけない 立場(たちば)だからです。
 ◎ いじわる では ありません。

3 ◎ じこの とき

やくしょと ご家族(かぞく)に れんらくするのは、しせつの しごとです。その 代表(だいひょう)が 管理者です。
 ◎ だから、あなたが ひとりで ご家族に あやまりに 行(い)かなくて いいです。管理者に いっしょに 来(き)て もらいます。

4 ◎ この 人に たのめる こと

5 ⚠ 決(き)まって いない ところ

管理者が 現場(げんば)に 入(はい)るか。そうだんを いつ 受(う)けるか。
 ◎ これは 事業所に よって ちがいます。あなたの 事業所の やり方を 聞(き)いて ください。

※ この ページは 一般(いっぱん)の せつめいです。しごとの わけかたは、事業所(じぎょうしょ)に よって ちがいます。かならず あなたの 事業所(じぎょうしょ)で たしかめて ください。

様式を配っています

月の集計表・掲示(結果を返す紙)など。いずれも一例です。事業所に合わせて書き換えてお使いください。登録は要りません。

様式をダウンロード → 困りごとから調べる

根拠にした資料

  • 指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第39号)第21条(管理者による管理)、第22条(管理者の責務)、第23条(運営規程)、第29条(掲示)、第35条(事故発生の防止及び発生時の対応)
  • 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)第6条(訪問介護の管理者)、第28条第1項・第2項(管理者の責務)、第29条第2号(運営規程)、第94条(通所介護の管理者)
この記事について 一般的な情報提供を目的としています。 管理者の兼務の範囲は、サービスの種類と自治体の取り扱いによって異なることがあります。 管理者が現場に入るかどうか、相談の受け方など、条文に定めのない部分は事業所の運営規程によります。 職種の間に上下や優劣はありません。条文が置いている義務の場所が違うだけです。 制度・条番号は改正されることがあります。 実際の対応は、所属事業所の規程に従ってください。