ホーム記事 > 転落 > 4点柵と身体拘束
転落

4点柵は身体拘束にあたるのか

「4点柵って、拘束になるんでしょうか」

現場でいちばん多い質問のひとつです。答えは、「あたる場合があります」。 そして、あたるかどうかをひとりの職員が判断してはいけません。

何に書いてあるのか、やむを得ず行うには何が必要なのかを整理しました。

最終更新:2026年8月 / 高齢者支援実務研究所

もくじ

  1. 11項目の3番目に、書かれています
  2. やむを得ず行うための3要件
  3. 「非代替性」がいちばん問われます
  4. 柵のほかにも、拘束にあたりうるもの
  5. いま4点柵になっている方がいたら
  6. まとめ

11項目の3番目に、書かれています

厚生労働省が示す身体拘束にあたる11の行為の3番目に、こう書かれています。

「自分で降りられないように、ベッドを柵(サイドレール)で囲む」

身体拘束にあたる具体的な行為(11項目)より

ここで大事なのは、「囲む」かどうかです。本数そのものが問題なのではありません。 つかまるために2本置いているのと、降りられないように四方をふさぐのとでは、意味が違います。

判断のことばは「本数」ではなく「降りられるか」です。 柵を足したあと、その方が自分で降りられるかどうかを確かめてください。 降りられないなら、それは囲っていることになります。

Quây kín giường bằng 4 thanh chắn có thể bị coi là hạn chế vận động cơ thể. Hãy hỏi tổ trưởng trước.

やむを得ず行うための3要件

身体拘束は、原則として行えません。やむを得ず行うには、次の3つがすべて必要とされています。

要件意味
① 切迫性本人または他の方の生命・身体に危険が及ぶ可能性が著しく高いこと
② 非代替性身体拘束以外に代わる方法がないこと
③ 一時性一時的なものであること

3つのうち1つでも欠けたら、行えません。 そして、3要件を満たすかどうかの検討はチームで行い、記録に残す必要があります。 ご本人・ご家族への説明と同意も要ります。
夜勤帯に、ひとりで決めてよいものではありません。

「非代替性」がいちばん問われます

実務で引っかかるのは、たいてい②です。ほかに方法がないと言えるか。

転落については、代わりの方法が具体的にあります。

これらを試していないうちは、「ほかに方法がない」とは言いにくいということになります。

柵のほかにも、拘束にあたりうるもの

転落を防ごうとして、拘束のほうへ寄っていくことがあります。次のものは注意してください。

✕ 拘束にあたりうる

ベッドを柵で囲む/ベルトで固定する/つなぎ服を着せる/ベッドを壁につけて片側をふさぐ/車いすにベルトで止める

〇 拘束にならない

ベッドを低くする/床にマットを敷く/柵を1〜2本つかまるために置く/離床センサー/座面クッションと角度で支える

ベッドを壁につけて片側をふさぐのは、見た目には柵ではありませんが、 降りられなくしているという点では同じです。ケアプランの担当者と相談してください。 一方で、壁側を頭側にして降りる方向を1つにそろえるのは、また別の話です。

いま4点柵になっている方がいたら

責める話ではありません。手順にのせ直すだけです。順番を書きます。

順番やること
1リーダー・管理者に「4点柵になっている方がいます」と伝える。ひとりで抱えない
2代わりの方法(低床・マット・センサー・理由の解決)を試したかを、チームで確認する
3それでも必要なら、3要件を満たすかをチームで検討し、検討した内容を記録に残す
4ご本人・ご家族へ説明し、同意を得る。説明した日時・相手・内容を記録する
5いつ見直すかを決める。一時性の要件は、期限を決めていないと満たせません

年2回は、拘束の3要件を満たしているかを見直してください。 月1回のカンファレンスの最後の5分で、前月に決めた対策の確認とあわせて行うと、忘れずにすみます。

まとめ

制度の運用は、自治体や施設種別によって細かい取り扱いが異なることがあります。 最終的な判断は、所属施設の規程と、管理者・ケアマネジャー・看護師の指示に従ってください。

この方は、どこに気をつける?

利用者さんの状態を選ぶと、注意する場面と部位が出ます。印刷して、カンファレンスの資料に使えます。

困りごとから調べる → 様式をダウンロード

根拠にした資料

個人の経験ではなく、公表されている資料をもとに整理しています。
  • 厚生労働省「介護保険施設等における事故の発生又はその再発を防止するための指針」に関する基準・通知
  • 厚生労働省「身体拘束ゼロへの手引き」および身体拘束にあたる具体的な行為(11項目)
  • 厚生労働省「介護保険施設等における事故報告様式の統一化について」(令和3年3月19日 老高発0319第1号ほか)
  • 消費者庁・独立行政法人国民生活センター 高齢者のベッドまわりの事故に関する注意喚起
  • 日本工業規格(JIS)在宅用電動介護用ベッドおよびサイドレールのすき間に関する安全基準
この記事について 一般的な情報提供を目的としています。医療・介護の判断を代替するものではありません。 施設によって、利用者さんによって、正しいやり方は変わります。ここに書いたことが、そのまま当てはまるとは限りません。 手順・寸法・時間は、すべて目安一例です。 判断に迷うこと、いつもと違うと感じたことは、看護師・医師にご相談ください。 実際の対応は、所属施設の規程および、医師・看護師の指示に従ってください。制度・基準は改正されることがあります。
ベトナム語 参考訳です。母語話者による確認は受けていません。誤りにお気づきの方はご連絡ください。