介護の事故は、「なぜ起きたか」がはっきりしないことのほうが多い。
だから対策も、時間がたつと、なんとなく消えていきます。
何をどうしていいか分からないまま、「まあいいか」になっていく。
このサイトは、答えを配るものではありません。
何を見て、どこから考えるか。その順番を整理したものです。
日本人職員も、外国人職員も、同じものを読めるように作りました。
このサイトには、介護の事故について約150本の記事があります。区分は9つで、同じ事故を「何を見るか」「起きたあとどう考えるか」「相手の職種はなぜそう言うのか」と、別の角度から書いたものもあります。最初にどこを開けばよいかを、読む人の立場ごとにまとめました。
| いまの立場 | 最初に開くところ | そのあと |
|---|---|---|
| 施設で働く介護職 | 事故べつの記事(転倒・誤嚥・誤薬・内出血など) | 同じことが続くならどこから考えるか |
| 訪問介護・通所介護 | 訪問介護・通所介護で働く人へ | 見る順番は施設の記事もそのまま使えます |
| リーダー・管理者 | 起きたあと、どこから考えるか | 報告と記録の形は様式 |
| 看護師・ケアマネとのやりとりで困っている | なぜ、そう言うのか | 相手の仕事の範囲は職種 |
| 外国人職員・受け入れる側 | 外国人職員のために・外国人ヘルパーのために | 言葉は用語対訳(日本語・ベトナム語・英語) |
| 車いすが合っていない気がする | 車いす | 状態から探すなら困りごとから調べる |
日本人職員と外国人職員が同じ記事を読めるように、ほとんどの記事のいちばん下に【やさしい日本語】の版をつけています。ふりがなと短い文で書いてあり、記事の書き出しにある緑のボタンから飛べます。介護の言葉は用語対訳で、日本語・ベトナム語・英語を並べています(訳は参考訳です)。
看護師に報告したのに動いてもらえない。ケアマネジャーに頼んだら「プランにないので」と返ってくる。——相手の背中に何が乗っているかを、気持ちではなく条文で書いています。
破ったときに罰を受けるのは、施設ではなくその看護師本人です。指示なしで動ける例外は、条文にたった1つしかありません。
看護師の側から配置は「常勤換算」で、夜勤の基準の条文は「介護職員 又は 看護職員」。意地悪でも人手不足でもありません。
看護師の側からただし「判断しない」と「気づいたことを言わない」は別のことです。「いつもと違う」は、あなたにしか書けません。
区分トップ看護師8本・ケアマネジャー6本・管理者と行政5本・ご家族3本・生活相談員とサ責2本。どの記事も、書き出しは条文の番号を使わずに書いています。やさしい日本語もあります。
ひとりのご利用者に、いろいろな職種が関わります。それぞれ、できることが違います。職種ごとに、資格は何か、法律が決めている仕事は何か、そして法律が決めていないところはどこかを書いています。
仕事は法律に2つ——療養上の世話と、診療の補助。後者には医師の指示が要り、破ったときに罰を受けるのは本人です。
ケアマネジャー仕事の中身が、条文にいちばん細かく書かれている職種です。居宅は「少なくとも一月に一回」、施設は「定期的に」。
生活相談員仕事の中身を決めた条文が見つかりません。だから施設ごとの働き方になっています。そのかわり、確かめる場所があります。
区分トップ介護職・看護師・ケアマネジャー・生活相談員に、サービス提供責任者・機能訓練指導員・管理者・医師・栄養士を足しました。どの記事も、資格/条文が決めている仕事/条文が決めていないところ、の順です。やさしい日本語もあります。
訪問先には、呼べる人がいません。判断する人も、記録する人も、あなた一人です。その場で一人で決めるための順番を書いています。
2025年4月から、技能実習・特定技能の人も訪問介護で働けるようになりました。ぜんぶ やさしい日本語(ふりがなつき)で書いた8本と、日本語・ベトナム語・英語の ことばの表4本です。
入る 前に 1分で 見る 6つ。出口の がわに 立つ。あぶなかったら、やめて、出て、電話。
やさしい日本語だれが・何が・いま どう・何を した・どう すれば。紙に 書いて、電話の そばに。
やさしい日本語あなたの じょうけんと、事業所の じょうけん 5つ。「同行は いつまで」「相談窓口は だれ」と 聞いて いい。
区分トップふつうの日本語で読みたい人は「訪問介護・通所介護で働く人へ」へ。同じことを、法律の根拠まで書いてあります。
すねのあざ、ずり落ち、むせ、おしりの赤み——同じ1台の車いすから起きていることがあります。介護職が自分でできること(名前をそろえる・順番を守る・指で測る・手でなでる・記録に残す)に絞った8本です。
順番はクッション → 寸法 → 支え → そこで、はじめてティルト。いきなりティルトが、いちばん多いまちがい。
車いす1つでも当てはまれば、相談する理由になる。「こがなくなった」だけは、先に車いすを疑う。気づくのは、いつも介護職。
車いす13の部品の図と、日本語・ベトナム語・英語。その部品が、どの事故と関係するか。詰所に貼って、共通の言葉に。
区分トップティルトとリクライニング、寸法の測り方、クッション、フットサポート・アームサポート、理想の車いすがないときの補い方。
現場で、いちばん答えが見つかりにくいところから書いています。
誰も心当たりがない。でも毎月出る。探す場所には、順番があります。
内出血・あざ「原因不明」と書くだけでは、次につながりません。8項目の型があります。
ヒヤリハット反省文ではありません。原因も対策も、書かなくていいのです。
外国人職員理由は7つあります。そのいちばんは、日本人職員が書かない理由と同じです。
誤嚥食事の場では見えません。数日あとの、微熱として現れます。
設計した全50本を、すべて公開しました。事故の種類べつに並べています。どの記事も、リスクの地図/手順/その場のチェック/記録/数えかたの順です。
原因の探し方/すねと車いす/赤ゾーン/老人性紫斑/記録/ご家族への説明/部位べつの集計
6本 公開中見つけたときの30秒/頭部の観察/慢性硬膜下血腫/記録の書き分け/再発防止策/時間帯×場所の集計
7本 公開中むせない誤嚥/食後の「あー」/咳ができるか/きざみ食/とろみの統一/傾眠と開口/口腔ケア
6本 公開中3行でいい・例文50本/0件がいちばん危ない/書かない7つの理由/「特変なし」/第一報の5つ/発見者のこころのケア
6本 公開中柵を増やすと重くなる/4点柵と身体拘束/柵のすき間/ベッドの下げ忘れ/低床とマット/なぜ降りようとしたのか
6本 公開中気づいたときの手順/本人確認/飲ませ忘れ/粉にできない薬/できること・できないこと/工程べつの集計
5本 公開中沈んだらまず顔を出す/音では気づけない/ヒートショック7つ/中止基準/皮ふの観察
6本 公開中距離と角度/崩れたら床へ/わきをつかまない/形どおりにいかない方/職員の腰痛と労災/合図の統一
事故のあと、報告書には「原因」を1つ書く欄があります。でも、たいていは いくつも重なっています。この区分は、答えを出しません。5つの方向に分けて、確かめる質問を並べます。
1件ずつ報告書を書いても、次がまた起きる。1件ごとではなく、月単位で並べてください。時間帯・場所・そのとき何をしようとしていたか。
誤薬人ではなく、工程で分けます。受け取り・保管・セット・本人確認・与薬・記録。どこで起きているかが分かると、対策が変わります。
ヒヤリハット0件は、安全という意味ではありません。書けない理由は7つ。いちばん大きいのは「怒られると思っている」ことです。
区分トップ車いすからの転落・転倒・あざ・むせ・誤薬・移乗・ヒヤリハット・職員が続かない。どの記事も、出口は「確かめたことを記録に残す」ことです。やさしい日本語もあります。
日本人職員と、いっしょに読むための記事です。
「分かりません」と言える職員は、危険な職員ではありません。
いちばん安全な職員です。
分からないまま黙って進む人が、事故を起こします。
その一言が出る空気を作るのは、日本人職員の仕事です。
※ くわしい本文は第10章(全文公開)でも読めます。記事の一覧はこちら。
全10章・362語がそろいました。申し送りで使う言葉を、そのまま引けます。全10章の一覧はこちら。
皮下出血/紫斑/褥瘡/保湿/剥離剤
36語不顕性誤嚥/湿性嗄声/とろみ/背部叩打法
35語健側/患側/膝折れ/スライディングボード
35語報連相/身体拘束/虐待/監理団体/労災
登録は不要です。そのまま印刷して、施設で使ってください。項目を書き換えて使っていただいて構いません。
このサイトに書いていることを、1冊にまとめた本です。紙の本と、スマートフォンでも読めるKindle版があります。第10章は全文、様式8枚はすべて、ここで無料で読めます。読んでから決めてください。
介護事故防止 実務マニュアル
見る順番・記録の残し方・数えかた
全10章+巻末付録A〜D/294ページ・全ページカラー/日本語+ベトナム語(参考訳)
3,980円 紙の本・税込
1,650円 Kindle版・税込/2026年9月1日 第1版
Amazonで発売中 → 紙の本(3,980円) / Kindle版(1,650円)
2冊目『訪問介護の事故対応 実務マニュアル』(A5・151ページ・2026年9月6日)も出ました → ご案内 / 紙の本(1,980円) / Kindle版(1,650円)
3冊目『外国人ヘルパーのための 訪問介護 はじめの1冊』(やさしい日本語・A5・91ページ・2026年9月6日)も出ました → ご案内 / 紙の本(1,320円) / Kindle版(700円)
4冊目『介護の多職種連携 実務マニュアル』(A5・232ページ・2026年9月8日)も出ました → ご案内 / 紙の本(2,200円) / Kindle版(1,650円)
Amazonのアソシエイトとして、高齢者支援実務研究所は適格販売により収入を得ています。
原因が分からないことを、
分からないまま共有できるチームが、いちばん安全である。
原因が特定できることは、多くありません。
それでも「分からない」と言い合えることが、次の事故を防ぎます。
この考えを軸に、全10章を書きました。
厚生労働省の通知や、業界団体の資料をもとに、現場で判断に迷う場面を整理しています。
「これをすれば防げます」とは書きません。そう言えるほど、介護の事故は単純ではないからです。
書いてあるのは、見る順番・記録の残し方・数えかたです。
ただし、施設によって、利用者さんによって、正しいやり方は変わります。
ここに書いたことが、そのまま当てはまるとは限りません。最後は、施設の規程と、看護師・医師の判断に従ってください。