原因は、たいてい分かりません。
それでも、できることはあります。

介護の事故は、「なぜ起きたか」がはっきりしないことのほうが多い。

だから対策も、時間がたつと、なんとなく消えていきます。
何をどうしていいか分からないまま、「まあいいか」になっていく。

このサイトは、答えを配るものではありません。
何を見て、どこから考えるか。その順番を整理したものです。
日本人職員も、外国人職員も、同じものを読めるように作りました。

この方は、どこに気をつける?

利用者さんの状態を選ぶと、注意すべきことがまとまって出ます。印刷して、カンファレンスの資料に使えます。

困りごとから調べる →

はじめての方へ ―― どこから読むか

このサイトには、介護の事故について約150本の記事があります。区分は9つで、同じ事故を「何を見るか」「起きたあとどう考えるか」「相手の職種はなぜそう言うのか」と、別の角度から書いたものもあります。最初にどこを開けばよいかを、読む人の立場ごとにまとめました。

いまの立場最初に開くところそのあと
施設で働く介護職事故べつの記事(転倒・誤嚥・誤薬・内出血など)同じことが続くならどこから考えるか
訪問介護・通所介護訪問介護・通所介護で働く人へ見る順番は施設の記事もそのまま使えます
リーダー・管理者起きたあと、どこから考えるか報告と記録の形は様式
看護師・ケアマネとのやりとりで困っているなぜ、そう言うのか相手の仕事の範囲は職種
外国人職員・受け入れる側外国人職員のために・外国人ヘルパーのために言葉は用語対訳(日本語・ベトナム語・英語)
車いすが合っていない気がする車いす状態から探すなら困りごとから調べる

このサイトが守っている4つのこと

  1. 原因を1つに決めない。事故の多くは、用具の設定・その方の変化・環境・手順・体制が重なって起きます。1つに決めると、残りが放っておかれます。
  2. 人を責める結論にしない。「見守りを強化する」「注意する」は、明日から何を変えるのかが書かれていない対策です。続かず、次からは報告も出にくくなります。
  3. 確かめたことを記録に残す。見たこと・聞いたこと・思ったことを分けて書きます。確かめて「当たらなかった」方向も書いておくと、次に同じことが起きたとき、探す場所が減ります。
  4. 根拠を書く。通知や基準の条文、公的な資料をもとに書いています。ただし運用は施設や自治体によって違います。最後は施設の規程と、医師・看護師の判断に従ってください。

事故が起きた日の流れ(めやす)

  1. その方の安全。意識・呼吸・痛む場所を確かめ、動かしてよいかを判断します。転倒なら最初の30秒でやること。
  2. 看護師・リーダーへの報告。何を見て、いまどうなっているかを短く伝えます。
  3. ご家族への連絡。誰が、いつ連絡するかは施設の決まりに従います。
  4. 記録。その日のうちに書きます。見ていない場面を「転倒」と書かず、見つけたときの状態を書きます。
  5. 事故報告。市町村への報告が要る事故の範囲は、自治体ごとの要綱で決まっています。手元の様式が新しいものかも確かめてください(訪問介護・通所介護の区分にまとめています)。
  6. 数日以内の振り返り。5つの方向に分けて確かめ、変えるのは1つか2つにします(どこから考えるか)。

やさしい日本語と、3つの言葉

日本人職員と外国人職員が同じ記事を読めるように、ほとんどの記事のいちばん下に【やさしい日本語】の版をつけています。ふりがなと短い文で書いてあり、記事の書き出しにある緑のボタンから飛べます。介護の言葉は用語対訳で、日本語・ベトナム語・英語を並べています(訳は参考訳です)。

なぜ、そう言うのか

看護師に報告したのに動いてもらえない。ケアマネジャーに頼んだら「プランにないので」と返ってくる。——相手の背中に何が乗っているかを、気持ちではなく条文で書いています。

この人は、何をする人か

ひとりのご利用者に、いろいろな職種が関わります。それぞれ、できることが違います。職種ごとに、資格は何か、法律が決めている仕事は何か、そして法律が決めていないところはどこかを書いています。

訪問介護・通所介護で働く人へ

訪問先には、呼べる人がいません。判断する人も、記録する人も、あなた一人です。その場で一人で決めるための順番を書いています。

外国人ヘルパーのために

2025年4月から、技能実習・特定技能の人も訪問介護で働けるようになりました。ぜんぶ やさしい日本語(ふりがなつき)で書いた8本と、日本語・ベトナム語・英語の ことばの表4本です。

車いす

すねのあざ、ずり落ち、むせ、おしりの赤み——同じ1台の車いすから起きていることがあります。介護職が自分でできること(名前をそろえる・順番を守る・指で測る・手でなでる・記録に残す)に絞った8本です。

よく読まれている記事

現場で、いちばん答えが見つかりにくいところから書いています。

事故べつに調べる

設計した全50本を、すべて公開しました。事故の種類べつに並べています。どの記事も、リスクの地図/手順/その場のチェック/記録/数えかたの順です。

起きたあと、どこから考えるか

事故のあと、報告書には「原因」を1つ書く欄があります。でも、たいていは いくつも重なっています。この区分は、答えを出しません。5つの方向に分けて、確かめる質問を並べます。

外国人職員のために

日本人職員と、いっしょに読むための記事です。

「分かりません」と言える職員は、危険な職員ではありません。
いちばん安全な職員です。

分からないまま黙って進む人が、事故を起こします。
その一言が出る空気を作るのは、日本人職員の仕事です。

※ くわしい本文は第10章(全文公開)でも読めます。記事の一覧はこちら。

用語対訳(日本語・ベトナム語・英語)

全10章・362語がそろいました。申し送りで使う言葉を、そのまま引けます。全10章の一覧はこちら。

ベトナム語について この対訳は、日本語の意味をつかむための参考訳です。実際に伝えるときは、日本語のほうを声に出してください。 介護現場を知る母語話者による確認は受けていません。誤りにお気づきの方は、ぜひ教えてください。 → 訳の誤りを知らせる

様式のダウンロード

登録は不要です。そのまま印刷して、施設で使ってください。項目を書き換えて使っていただいて構いません。

ヒヤリハット様式(3行版)いつ・何が・どうした。それだけの紙です
ヒヤリハット様式(丸をつける版)ひらがなのみ。日本語で書けない方も出せます
ボディマップ(記録用)前後の全身図。あざの位置を記録します
各章の集計表部位べつ・時間帯べつ・工程べつ
連絡先一覧テンプレート夜間・休日の連絡先を埋めて掲示します
カンファレンス進行シート30分の型。司会の言葉つき

様式を見る →

本のご案内

このサイトに書いていることを、1冊にまとめた本です。紙の本と、スマートフォンでも読めるKindle版があります。第10章は全文、様式8枚はすべて、ここで無料で読めます。読んでから決めてください。

『介護事故防止 実務マニュアル』の表紙

介護事故防止 実務マニュアル

見る順番・記録の残し方・数えかた
全10章+巻末付録A〜D/294ページ・全ページカラー/日本語+ベトナム語(参考訳)

3,980円 紙の本・税込

1,650円 Kindle版・税込/2026年9月1日 第1版

本のご案内を見る → 第10章を無料で読む

Amazonで発売中 → 紙の本(3,980円) / Kindle版(1,650円)

2冊目『訪問介護の事故対応 実務マニュアル』(A5・151ページ・2026年9月6日)も出ました → ご案内 / 紙の本(1,980円) / Kindle版(1,650円)

3冊目『外国人ヘルパーのための 訪問介護 はじめの1冊』(やさしい日本語・A5・91ページ・2026年9月6日)も出ました → ご案内 / 紙の本(1,320円) / Kindle版(700円)

4冊目『介護の多職種連携 実務マニュアル』(A5・232ページ・2026年9月8日)も出ました → ご案内 / 紙の本(2,200円) / Kindle版(1,650円)

Amazonのアソシエイトとして、高齢者支援実務研究所は適格販売により収入を得ています。

この研究所について

原因が分からないことを、
分からないまま共有できるチームが、いちばん安全である。

原因が特定できることは、多くありません。
それでも「分からない」と言い合えることが、次の事故を防ぎます。
この考えを軸に、全10章を書きました。

厚生労働省の通知や、業界団体の資料をもとに、現場で判断に迷う場面を整理しています。
「これをすれば防げます」とは書きません。そう言えるほど、介護の事故は単純ではないからです。
書いてあるのは、見る順番・記録の残し方・数えかたです。
ただし、施設によって、利用者さんによって、正しいやり方は変わります。 ここに書いたことが、そのまま当てはまるとは限りません。最後は、施設の規程と、看護師・医師の判断に従ってください。

くわしく → 参考にした資料 →