車いすの替えどき 16のサイン ——1つでも当てはまれば、相談する理由になる
「なんとなく、合っていない気がする」——それで、相談してよいのです。 リハビリ職も福祉用具の相談員も、その方が1日をどう過ごしているかは見ていません。 30分でずり落ちることも、夕方だけ傾くことも、毎日そばにいる人にしか分かりません。
この記事は、「そろそろ替えどきかも」の16のサインと、それぞれどの方向で考えるか(クッション/寸法/ティルト/リクライニング)をまとめたものです。 気づくのは、いつも介護職です。
4つの方向 — サインを見たら、どこへ向かうか
| 方向 | 何をするか |
|---|---|
| クッション | まずクッションと座り直しを見直す。へたり・裏返し・種類。いちばん多い原因で、いちばん早く直る |
| 寸法 | 座幅・奥行き・座面高・アームの高さ・フットサポート高を合わせる(モジュール調整)。指とこぶしで測って報告する |
| ティルト | クッションと寸法で直らず、体幹を起こしていられないとき、はじめて検討する |
| リクライニング | 理由が別。血圧・呼吸・股関節。ずり落ち対策には使わない |
順番の考え方はティルトは上位互換ではないに書きました。 サインの多くは「クッション」か「寸法」に向かいます。ティルトに向かうのは、それでも直らないときです。
16のサイン
1つでも当てはまったら、相談する理由になります。右の列は、まず考える方向です。
| こんなサインが出ていたら | 考える方向 |
|---|---|
| 1 30分もたたずに、ずり落ちてくる | クッション → 寸法 |
| 2 行くたびに、座り直しが必要になっている | クッション → 寸法 |
| 3 仙骨座り(骨盤が後ろに倒れて、背中が丸い) | クッション → 寸法 → ティルト |
| 4 体が片側に傾く。声をかけても戻せない | 寸法 → ティルト |
| 5 頭が保てず、あごが上がる | ティルト+ヘッドサポート |
| 6 食事中のむせが増えた/食後の声がガラガラする | 寸法 → ティルト。角度の見直しも |
| 7 車いすに座っていられる時間が短くなった(1時間もたない) | クッション → ティルト |
| 8 仙骨・尾骨・坐骨に赤みが出る(押しても消えない) | クッション → ティルト。あわせて看護師へ |
| 9 すね・ひじに、くり返し同じ場所のあざ | 寸法。フットサポート・アームサポートの見直し |
| 10 足が床やフットサポートに届かない/ひざが上がっている | 寸法(座面高・フットサポート高) |
| 11 座ると、ひざが胸に近づく(座面が短い・高すぎる) | 寸法 |
| 12 自分でこがなくなった | 寸法。能力が落ちたのか、車いすが合わないのかを先に見分ける |
| 13 移乗のたびに、職員が抱え上げている | 寸法。アームサポートを跳ね上げ式へ |
| 14 体重が5kg以上変わった | 寸法。座幅・座面高の再測定 |
| 15 拘縮が進んだ/関節の曲がる角度が変わった | 寸法 → リクライニング。リハビリ職へ |
| 16 「疲れた」「痛い」と言う/すぐベッドに戻りたがる | クッション → 寸法。本人の訴えは、いちばん確かなサインです |
8番の赤みは、車いすの相談と同時に、看護師に見せてください。押しても消えない赤みは、褥瘡の入口です。 9番のすね・ひじのあざは、すねのあざが何度もできる — 車いすのどこが当たっているかとフットサポート・アームサポートの型べつリスクに。 6番のむせは、ティルトとリクライニングは別のものの角度と枕の話につながります。
12番だけは、順番を逆にしない
「自分でこがなくなった」→「じゃあ介助型に替えよう」——これは、よくある判断です。でも、先に車いすのほうを疑ってください。
こげなくなった理由が「タイヤの空気が抜けていた」「座面が高くて足が床に届かない」だったことがあります。介助型に替えたら、その方は二度と自分では動けません。
- タイヤの空気圧を見る。抜けると車体が下がり、こぎにくく、ブレーキも効きにくくなる
- 座面の高さを見る。足底が床に届いているか。足こぎの方は、届かないとこげない
- ハンドリムの傷・バリ、キャスターにゴミや髪の毛が巻きついていないか
- それでもこげないなら、「車いすの点検をしたうえで、こぐ力が落ちている」と記録して、相談する
誰に、何を持って相談するか
| 相手 | できること |
|---|---|
| 福祉用具専門相談員(レンタル・販売の事業者) | いちばん最初の相談先。寸法の測定、調整、機種の提案。多くは無料で見に来てくれます。施設に出入りしている業者に声をかける |
| 理学療法士・作業療法士 | 座位の評価、クッションの選定、姿勢の調整、座位保持装置の検討 |
| 言語聴覚士 | 食事の角度、嚥下との関係 |
| 看護師 | 褥瘡・皮ふの評価。血圧・呼吸との関係 |
| 生活相談員・ケアマネジャー | 費用と手続き。施設の備品を替えるのか、個人で用意するのか |
持っていくものは5つ。2週間の記録(ずり落ちた回数/座り直した回数/座っていられた時間/傾く方向/むせの回数/あざと赤みの場所)、真横からの写真、今の車いすの情報(種類・メーカー・型番・座幅)、試したこと、困っていること。
「試したこと」があると、専門職の対応がまったく変わります。
「ずり落ちるんです」だけだと「クッションを替えてみては」で終わります。「クッションを替えて2週間みたが変わらなかった」と言えば、次の段階の話になります。
試したことを記録しておく。それが、いちばん強い交渉材料です。
Người phát hiện luôn là nhân viên chăm sóc. "Hình như xe lăn không hợp" — chỉ cần nói vậy là đủ.
費用の話は、施設の種類で扱いが違います。介護職がご家族に費用の説明をしてはいけません。生活相談員・ケアマネジャーに。 写真の撮り方と寸法の測り方は車いすの寸法が合っているか、指とこぶしで測るに。
まとめ
- 「なんとなく合っていない気がする」で、相談してよい
- 16のサインの多くは、クッションか寸法に向かう。ティルトは、それでも直らないとき
- 8番の赤みは看護師にも。16番の本人の訴えは、いちばん確かなサイン
- 12番「こがなくなった」は、先に車いすを疑う。介助型に替えたら、二度と自分では動けない
- 相談に持っていくのは、2週間の記録・真横の写真・試したこと
- 気づくのは、いつも介護職
やさしい 日本語(にほんご)
1 「あって いない かも」で、言(い)って いいです
◎ 毎日(まいにち)そばに いる あなたにしか、わからない ことが あります。
◎ 30分で ずり落(お)ちる。夕方(ゆうがた)だけ かたむく。——これは、あなたが 見(み)て いる ことです。
2 こんな ときは、報告(ほうこく)します
- 30分で ずり落ちる
- 行(い)くたびに すわり直(なお)しが いる
- 体(からだ)が かたむく
- ごはんで むせることが ふえた
- おしりに 赤(あか)い ところが ある。おしても きえない → 看護師(かんごし)にも
- すね・ひじに、同(おな)じ ところの あざ
- 足(あし)が ゆかに つかない
- 「つかれた」「いたい」と 言う
3 「じぶんで こがなく なった」ときは
⚠ すぐに 車(くるま)いすを かえません。
◎ まず、タイヤの 空気(くうき)と、足が ゆかに つくかを 見ます。
⚠ 介助型(かいじょがた)に かえると、その 人は じぶんで うごけなく なります。
4 報告の しかた
◎ 「〇〇さん、この 2週間(しゅうかん)、30分で 3回(かい)ずり落ちました。クッションを かえて みましたが、かわりません」
◎ 数(かず)を 言うと、つたわります。
"Hình như xe lăn không hợp với ông/bà ấy" — bạn có thể nói như vậy. Người phát hiện luôn là nhân viên chăm sóc.
※ この ページは 日本(にほん)の 法律(ほうりつ)と、現場(げんば)の きまりに ついて 書(か)いて います。あなたの 事業所(じぎょうしょ)の きまりも、かならず 見(み)て ください。
ふりがなと やさしい 日本語は、この 研究所(けんきゅうじょ)が つけた ものです。ベトナム語は 参考訳(さんこうやく)です。まちがいが あれば、教(おし)えて ください。
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根拠にした資料
- 『介護事故防止 実務マニュアル』巻末付録C「車いすの選び方と、替えどき」(「そろそろ替えどきかも」の16のサイン、相談のしかた)本のご案内
- 車いす・クッションの各メーカーが公表している取扱説明書と、適合の考え方
ベトナム語 参考訳です。母語話者による確認は受けていません。誤りにお気づきの方はご連絡ください。