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知らないと違反

身体拘束にあたる11の行為 — 善意でやっても違反です

ここは、善意でやってしまうところです。
「転ばないように」「チューブを抜かないように」——守るつもりの行為が、身体拘束にあたることがあります。

知らないと、あなたが違反者になります。11の行為を、先に覚えてください。

やさしい日本語で読むくわしく読む

最終更新:2026年9月 / 高齢者支援実務研究所

もくじ

  1. なぜ「善意で」違反になるのか
  2. 身体拘束にあたる11の行為
  3. 例外は「3つすべて」そろったときだけ
  4. 現場でどう動くか — ひとりで決めない
  5. 施設の体制として決まっていること
  6. まとめ

なぜ「善意で」違反になるのか

身体拘束は、たたく・どなるのような「悪意の行為」とは違います。 「落ちたら危ないから」「抜いたら危ないから」という、ケアのつもりの行為が中心です。 だから、教わっていないと気づけません。

介護保険施設では、緊急やむを得ない場合を除き、身体拘束は行ってはならない——と省令で決まっています。

指定介護老人福祉施設の運営基準(平成11年厚生省令第39号)第11条。他の施設・事業所の基準にも同じ趣旨の規定があります。

そして身体拘束は、高齢者虐待の5つの種類のうち 「身体的虐待」に含まれうる行為でもあります。「善意だった」は、理由になりません。

身体拘束にあたる11の行為

厚生労働省「身体拘束ゼロへの手引き」(平成13年)は、次の11の行為を挙げています。原則、すべて禁止です。

#行為
1徘徊しないように、車いす・いす・ベッドに体幹や四肢をひも等で縛る
2転落しないように、ベッドに体幹や四肢をひも等で縛る
3自分で降りられないように、ベッドを柵(サイドレール)で囲む
4点滴・経管栄養等のチューブを抜かないように、四肢をひも等で縛る
5チューブを抜かない・皮膚をかきむしらないように、ミトン型の手袋等をつける
6車いすからのずり落ち・立ち上がりを防ぐため、Y字型拘束帯・腰ベルト・車いすテーブルをつける
7立ち上がる能力のある人の立ち上がりを妨げるようないすを使う
8脱衣やおむつはずしを制限するため、介護衣(つなぎ服)を着せる
9他人への迷惑行為を防ぐため、ベッドなどに体幹や四肢をひも等で縛る
10行動を落ち着かせるため、向精神薬を過剰に服用させる
11自分の意思で開けることのできない居室等に隔離する(閉じ込める)

色をつけた3つ(柵で囲む・ミトン・つなぎ服)が、「善意でやってしまう」代表です。
ひもで縛らなくても、身体拘束です。くわしくは 4点柵は身体拘束にあたるのかもご覧ください。

例外は「3つすべて」そろったときだけ

「緊急やむを得ない場合」として例外的に認められるには、次の3つがすべて必要です。どれか1つでは足りません。

要件意味
① 切迫性(せっぱくせい)本人または他の利用者の生命または身体が危険にさらされる可能性が著しく高い
② 非代替性(ひだいたいせい)身体拘束以外に代わりの方法がない
③ 一時性(いちじせい)身体拘束が一時的なものである

加えて、チームでの検討、ご本人・ご家族への説明、そして記録が求められます。 運営基準は、行った場合にその態様・時間・その際の心身の状況・緊急やむを得ない理由を記録することを義務にしています(第11条第5項)。

つまり「ひとりの職員が、その場の判断でやってよいもの」は、ひとつもありません。 記録がない身体拘束は、それだけで問題になります。

現場でどう動くか — ひとりで決めない

施設の体制として決まっていること

身体拘束は、職員個人の注意だけに任せる仕組みではありません。運営基準は施設に対して、 ①対策を検討する委員会をおおむね3か月に1回以上開くこと、②指針を整備すること、③職員への研修を定期的に行うことを求めています(第11条第6項)。

教える側へ:外国人職員には、入職の初日に、11の行為を具体例で伝えてください。 「身体拘束はだめ」だけでは、「柵で囲む」「ミトン」が含まれることは伝わりません。 用語は日本の介護現場の用語(対訳表)にあります。

まとめ

やさしい 日本語(にほんご)

1 なにが おきますか

「ころんだら あぶない」
「チューブを ぬいたら あぶない」
——まもる つもりで やった ことが、身体拘束(しんたいこうそく)に なる ことが あります。

⚠ 知(し)らないと、あなたが 違反(いはん)した 人(ひと)に なります。

2 これは「わるい 気持(きも)ち」の 話(はなし)では ありません

◎ たたく・どなる とは ちがいます。
「あぶないから」と いう、やさしい 気持ちから はじまります。
だから、教(おそ)わって いないと 気(き)づけません。

3 やっては いけない ことが 11 あります

たとえば——
◇ ひもで しばる ◇ ベッドを さくで かこむ
◇ ミトン(手(て)ぶくろ)を つける ◇ Y字型(がた)の ベルトで いすに つける
◇ くすりで おとなしく させる ◇ 部屋(へや)に かぎを かける

⚠ くすりと かぎも 入(はい)って います。ここは 見落(みお)としやすい ところです。

4 いちばん 大事(だいじ)な こと

※ この ページは 日本(にほん)の 法律(ほうりつ)と、現場(げんば)の きまりに ついて 書(か)いて います。あなたの 事業所(じぎょうしょ)の きまりも、かならず 見(み)て ください。
ふりがなと やさしい 日本語は、この 研究所(けんきゅうじょ)が つけた ものです。まちがいが あれば、教(おし)えて ください。

この方は、どこに気をつける?

利用者さんの状態を選ぶと、注意すべきことがまとまって出ます。転倒・転落のリスクは拘束以外の対策から考えられます。

転倒・転落のリスクを調べる → 様式をダウンロード

根拠にした資料

個人の経験や、特定の施設の事例ではありません。次の一次情報と、当研究所が編集している実務マニュアルをもとに整理しています。
この記事について 一般的な情報提供を目的としています。 施設によって、職員によって、正しい運用は変わります。ここに書いたことが、そのまま当てはまるとは限りません。 実際の対応は、所属施設の規程および自治体の定めに従ってください。制度・法令は改正されることがあります(法令の記載は2026年9月時点の確認です)。
ベトナム語 参考訳です。母語話者による確認は受けていません。誤りにお気づきの方はご連絡ください。