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転落

「なぜ降りようとしたのか」から考える転落対策

柵を増やしても、ベッドを下げても、降りたい理由があるかぎり、降りようとします。

だったら、理由のほうを先に満たす。 トイレに行きたかった。のどが渇いた。人を探していた。痛かった。帰りたかった。暑かった。 ただ寝返りを打ちたかっただけかもしれません。

柵で止めるより、ずっとよく効きます。そして、その方の尊厳も守れます。

最終更新:2026年8月 / 高齢者支援実務研究所

もくじ

  1. いちばん効くのは、これです
  2. 理由と、先にできること
  3. 夜間に効く、具体的なこと
  4. カンファレンスでの出しかた
  5. 再発防止に書いてはいけない言葉
  6. まとめ

いちばん効くのは、これです

「なぜ、降りようとしたのか」

その理由を先に満たせば、危ない時間に降りる必要がなくなります。

転落の対策は、ふつう用具と設定から入ります。ベッドを下げる、マットを敷く。それは正しい順番です。 今日すぐできて、効果が確かだからです。

そのうえで、くり返す方には、この問いが効きます。 ベッドを下げてもマットを敷いても、月に何度も降りようとするなら、降りたい理由が満たされていないということです。

理由と、先にできること

降りようとする理由先にできること(一例)
トイレ排泄のパターンを記録して、その前に誘導する/ポータブルトイレを降りやすい側に置く
のどが渇いた手の届く場所に水分を置く(とろみが必要な方は、とろみをつけた水分で)
不安・人を探している訪室の回数を増やす/日中に会話の時間をつくる/照明を少し残す
痛い・かゆい痛みの評価を看護師へ/体位を変える/保湿
暑い・寒い室温・寝具の枚数を見直す
昼夜が逆転している日中の離床時間を増やす/朝に日光を浴びる/日中に寝かせすぎない
退屈・寝られない日中の活動量を見直す/就寝時刻が早すぎないか

就寝時刻が早すぎないかは、見落とされがちです。 夕食後すぐに臥床すると、夜中に目が覚めます。そこから何時間もベッドで過ごすことになれば、降りようとして当然です。

夜間に効く、具体的なこと

起きやすいこと今日できる対策(一例)
暗くてベッドの端が見えない足元灯・センサーライト(消灯後も足元だけ明るく)/ベッド周りの物を減らす
トイレに行こうとして降りる就寝前にトイレを済ませる声かけ/利尿薬の内服時刻を看護師と確認(夕方だと夜間が増えます)/ポータブルトイレを降りやすい側に
ナースコールを押さない押せるかを確かめる(手が届く/押し方が分かる/押しても来ないと思っていないか)/柵に固定する/「押していいんですよ」と何度でも伝える
気づくのが遅れる離床センサーの位置と反応を毎晩確認/訪室の時刻を記録に残す/ベッドを夜間だけ低くする
睡眠薬でふらつく内服時刻とふらつきを看護師と確認/効いている時間帯にこそ、訪室を厚くする

「ナースコールを押さない」には、3つの別々の理由があります。 手が届かない/押し方が分からない/押しても来ないと思っている。 3つめのときは、道具では解決しません。「押していいんですよ」と何度でも伝えるほうが効きます。

カンファレンスでの出しかた

同じ方に転落が集中したら、個別のケース会議へ。そこで「なぜ降りようとするのか」を全員で出します。

夜勤の職員に「その時間、何人を見ていましたか」と聞くのは、責めるためではありません。 人数の問題を、個人の注意不足にしないためです。

Vào giờ đó, một mình bạn phải trông mấy người ạ?

再発防止に書いてはいけない言葉

✕ 人を変える/拘束を増やす

「見守りを強化する」「注意して訪室する」
実行できません。確かめようがありません。
「柵を4本にする」「ベルトの使用を検討する」
けがを重くします。

〇 環境と設定を変える

「ベッドを最低位に固定する(担当〇〇、8/26)」
「床に衝撃吸収マットを敷く(8/26)」
「介助後にベッドを下げるを声出し確認にする」
「2時・4時の訪室を追加する」
「利尿薬を朝に変更できるか医師に相談する」

くわしくは 転倒対策に「見守りを強化する」と書いてはいけない理由 もあわせてどうぞ。

まとめ

薬の内容や時刻の変更は、医師・看護師の判断が必要です。現場で変えることはできません。 気づいたことを伝えるところまでが、介護職の役割になります。

この方は、どこに気をつける?

利用者さんの状態を選ぶと、注意する場面と部位が出ます。印刷して、カンファレンスの資料に使えます。

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根拠にした資料

個人の経験ではなく、公表されている資料をもとに整理しています。
  • 厚生労働省「介護保険施設等における事故の発生又はその再発を防止するための指針」に関する基準・通知
  • 厚生労働省「身体拘束ゼロへの手引き」および身体拘束にあたる具体的な行為(11項目)
  • 厚生労働省「介護保険施設等における事故報告様式の統一化について」(令和3年3月19日 老高発0319第1号ほか)
  • 消費者庁・独立行政法人国民生活センター 高齢者のベッドまわりの事故に関する注意喚起
  • 日本工業規格(JIS)在宅用電動介護用ベッドおよびサイドレールのすき間に関する安全基準
この記事について 一般的な情報提供を目的としています。医療・介護の判断を代替するものではありません。 施設によって、利用者さんによって、正しいやり方は変わります。ここに書いたことが、そのまま当てはまるとは限りません。 手順・寸法・時間は、すべて目安一例です。 判断に迷うこと、いつもと違うと感じたことは、看護師・医師にご相談ください。 実際の対応は、所属施設の規程および、医師・看護師の指示に従ってください。制度・基準は改正されることがあります。
ベトナム語 参考訳です。母語話者による確認は受けていません。誤りにお気づきの方はご連絡ください。