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座面クッションが合っていないと、何が起きるか ——車いすを替える前に、ここを見る

ずり落ちる方をティルトに替える前に、クッションを見てください。 いちばん多い原因は、車いすではなくクッションです。へたっている。裏返しに入っている。前後が逆。体に合っていない。

クッションを替えるだけで、ずり落ちが止まることがよくあります。 ここを飛ばして車いすを替えると、新しい車いすでも同じことが起きます。 この記事は、クッションが合っていないと何が起きるか、毎日1分で見ること、2週間の試し方をまとめたものです。

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最終更新:2026年9月 / 高齢者支援実務研究所

もくじ

  1. 合っていないと、何が起きるか
  2. 毎日1分 — 座っていただく前に見る4つ
  3. へたりの見方 — 月1回、手で押す
  4. 2週間、試して記録する
  5. クッションの種類は、選ぶのは専門職
  6. まとめ

合っていないと、何が起きるか

クッションの状態起きること
へたっている褥瘡と、ずり落ちが増えます。坐骨・仙骨に圧が集中する。座面が低くなって、ひざが上がり、骨盤が後ろに倒れる
裏返し・前後が逆形が体に合わない。前が高いはずのものが後ろに来て、前にすべる。座り直しても、すぐ戻る
ずれて入っている座面の前や横にすき間ができ、体が片側に傾く。アームサポートに寄りかかって、ひじ・上うでにあざ
カバーがすべる体が前にすべる。仙骨座りになる。あごが上がって、誤嚥にもつながる
厚みが合わない厚すぎ → 足が床に届かない・アームが低くなる。薄すぎ → 坐骨に圧。寸法は、クッションを入れた状態で合わせる
湿っている・汚れている皮ふがふやけて、こすれに弱くなる。赤み・褥瘡の入口

ずり落ちも、おしりの赤みも、ひじのあざも、同じクッションから起きていることがあります。

「その方」ではなく「そのクッション」を見てください。5秒で分かることが多い場所です。

16のサインのうち、1(30分でずり落ちる)・2(行くたびに座り直し)・7(座っていられる時間が短くなった)・8(仙骨・尾骨・坐骨の赤み)は、まずクッションに向かうサインです。 車いすの替えどき 16のサインに。

毎日1分 — 座っていただく前に見る4つ

「裏返しに入っていた」は、恥ずかしいことではありません。よく起きることです。 洗って戻すとき、移乗で外したとき、別のフロアから借りたとき。だから、毎日、座っていただく前に1分で見る。 見る順番を決めて、外国人職員にも新人にも、同じ4つを教えてください。

へたりの見方 — 月1回、手で押す

見かたこうなっていたら、へたっています
手のひらで押す押した跡がすぐ戻らない。底に手が当たる感じがする
座った跡を見る立ったあとも、おしりの形にへこんだまま
厚みを比べる同じ型の新しいものと並べて、明らかに薄い
中身を見るウレタンが崩れている・ちぎれている。空気の入るものなら、抜けている・もれている

へたったクッションは、褥瘡と ずり落ちの両方を増やします。月1回、全台の点検のときに、クッションも手で押してください。 点検の表はフットサポート・アームサポートの型べつリスクの最後にあります。

2週間、試して記録する

クッションを見直したら、2週間、記録します。これが、次の相談の材料になります。

記録することどう見るか
ずり落ちた回数1日に何回、座り直したか。減っていれば、クッションが原因だったということ
座っていられた時間「30分もたない」が「1時間」になったか
仙骨・尾骨・坐骨の赤み毎日見る。押しても消えない赤みは、看護師へ
傾く方向と時間帯いつも同じ側に傾くなら、寸法の問題かもしれない
✕ こう相談すると

「ずり落ちるんです」

→ 「クッションを替えてみては」で終わります。

〇 こう相談すると

「クッションの向きを直して、へたりも見て、2週間みました。それでもまだ30分で3回ずり落ちます」

→ 次の段階(寸法・支え)の話になります。

2週間で変わらなければ、次は寸法です。車いすの寸法が合っているか、指とこぶしで測るに。 それでも直らないとき、はじめてティルトを検討します——ティルトは上位互換ではない

クッションの種類は、選ぶのは専門職

クッションには、ウレタンのもの、空気の入るもの、ゲルのもの、組み合わせたものなど、いろいろあります。 どれがその方に合うかは、理学療法士・作業療法士・福祉用具専門相談員が、座位と皮ふの状態を見て決めます。 介護職が選ぶものではありません。

クッションは、車いすの中でいちばん安い部品で、いちばん効く部品です。 車いすを1台替える前に、クッションを1枚見る。そこに15分かければ、その方の1年が変わります。

まとめ

やさしい 日本語(にほんご)

1 ずり落(お)ちる ときは、まず クッション

車(くるま)いすを かえる 前(まえ)に、クッションを 見(み)ます。
◎ クッションを 直(なお)すだけで、ずり落ちが 止(と)まる ことが あります。

2 すわる 前に、1分(ぷん)で 見る 4つ

3 へたって いるか

◎ 手(て)で おします。すぐ もどらなければ、へたって います。
⚠ へたった クッションは、おしりの きず(褥瘡・じょくそう)と ずり落ちを ふやします。

4 して いい こと・いけない こと

◎ 向きを 直す。ずれを 直す。報告(ほうこく)する。——これは あなたの しごとです。
ほかの 人(ひと)の クッションと 取(と)りかえません。
タオルや ざぶとんを かさねません。すべります。
⚠ どの クッションが いいかを きめるのは、専門(せんもん)の 人です。 Việc chọn đệm ngồi là của chuyên viên. Bạn kiểm tra hướng đệm, độ lún, và báo cáo.

※ この ページは 日本(にほん)の 法律(ほうりつ)と、現場(げんば)の きまりに ついて 書(か)いて います。あなたの 事業所(じぎょうしょ)の きまりも、かならず 見(み)て ください。
ふりがなと やさしい 日本語は、この 研究所(けんきゅうじょ)が つけた ものです。ベトナム語は 参考訳(さんこうやく)です。まちがいが あれば、教(おし)えて ください。

2週間の記録を、紙で

ずり落ちた回数・座っていられた時間・赤みの場所。ボディマップと集計表は様式のページにあります。登録は要りません。

様式を見る → 困りごとから調べる

根拠にした資料

個人の経験や、特定の施設の事例ではありません。次の資料と、当研究所が編集している実務マニュアルをもとに整理しています。
  • 『介護事故防止 実務マニュアル』巻末付録C「車いすの選び方と、替えどき」(選ぶ順番——まず、座り方とクッションを見直す/16のサイン)、付録B「車いすの点検チェックリスト」(クッションの向き・へたり)本のご案内
  • 車いす用クッションの各メーカーが公表している取扱説明書(向きの表示、洗い方、交換の目安)
この記事について 一般的な情報提供を目的としています。医療・介護の判断を代替するものではありません。 施設によって、利用者さんによって、正しいやり方は変わります。ここに書いたことが、そのまま当てはまるとは限りません。 クッションの種類と選定は、理学療法士・作業療法士・福祉用具専門相談員・医師の評価によります。押しても消えない赤み、皮ふの異常は、看護師・医師にご相談ください。 実際の対応は、所属施設の規程および、医師・看護師の指示に従ってください。
ベトナム語 参考訳です。母語話者による確認は受けていません。誤りにお気づきの方はご連絡ください。