サービス提供責任者(サ責)は、何をする人か
◎ 訪問介護の事業所で、訪問介護計画を作り、ヘルパーに「何をどうするか」を指示する人です。利用者の数に応じて、必ず置くことになっています。
◎ 仕事の中身は、条文に8つ、番号つきで書かれています。ケアマネジャーの次に細かく決まっている職種です。
⚠ ただし、サ責自身がどれだけ現場に出るかは、条文に書いてありません。そこは事業所ごとです。
もくじ
ひとことで言うと
◎ 訪問介護の「計画を作る人」であり、ヘルパーの「指示を出す人」です。 ケアマネジャーの計画(居宅サービス計画)を受け取って、その内容に沿った訪問介護計画を作ります。
⚠ 通所介護(デイ)には、サ責はいません。訪問介護の職種です。デイで似た役目をするのは生活相談員です。 生活相談員は、何をする人か
条文にある配置と資格
指定居宅サービス等の基準(平成11年厚生省令第37号)第5条第2項
事業所ごとに、常勤の訪問介護員等のうち、利用者の数が40又はその端数を増すごとに1人以上をサービス提供責任者としなければならない。
同 第5条第4項——サービス提供責任者は介護福祉士その他厚生労働大臣が定める者であって、専ら指定訪問介護に従事する者。
◎ 「利用者40人に1人以上」が芯です。⚠ 常勤のサ責を3人以上置き、うち1人以上がサ責の業務に主として従事しているなど条件を満たす事業所では、50人に1人以上とできます(同 第5項)。
条文が決めている仕事——計画
◎ サ責の仕事の1つめは、訪問介護計画です(省令37号第24条)。作るだけではなく、その後まで書かれています。
| 条文 | 決めていること |
|---|---|
| 第24条第1項 | 利用者の日常生活全般の状況と希望を踏まえ、目標と具体的なサービスの内容を書いた訪問介護計画を作成する |
| 第24条第3項 | ◎ 内容を利用者又はその家族に説明し、利用者の同意を得る |
| 第24条第4項 | 作成した計画を利用者に交付する |
| 第24条第5項 | 作成後、実施状況を把握し、必要に応じて変更する |
⚠ 「作って渡して終わり」ではありません。実施状況を見て、変えるところまでがサ責の仕事として書かれています。
条文が決めている仕事——8つの業務
◎ 計画のほかに、8つの業務が番号つきで書かれています(省令37号第28条第3項)。
| 号 | 業務 |
|---|---|
| 第1号 | 利用の申込みに係る調整 |
| 第2号 | 利用者の状態の変化やサービスに関する意向を定期的に把握する |
| 第2号の2 | ◎ ケアマネジャー(居宅介護支援事業者等)に、服薬状況・口腔機能その他、心身の状態と生活の状況の情報を提供する |
| 第3号 | サービス担当者会議への出席等により、居宅介護支援事業者等と連携を図る |
| 第4号 | ◎ 訪問介護員等に、具体的な援助目標と援助内容を指示し、利用者の状況の情報を伝達する |
| 第5号 | 訪問介護員等の業務の実施状況を把握する |
| 第6号 | 訪問介護員等の能力や希望を踏まえた業務管理 |
| 第7号 | 訪問介護員等に対する研修、技術指導等 |
| 第8号 | その他サービス内容の管理について必要な業務 |
◎ 第4号を見てください。「具体的な援助目標及び援助内容を指示する」——ヘルパーが訪問先で迷ったとき、聞く相手はサ責だ、と条文が言っています。 ⚠ 第2号の2も見てください。訪問先で気づいた服薬や口腔の状態を、ケアマネに伝える窓口もサ責です。 訪問先で、どこまでやっていいか
「まずケアマネに」の向き
省令37号 第24条第2項
訪問介護計画は、「既に居宅サービス計画が作成されている場合は、当該計画の内容に沿って作成しなければならない」
◎ ケアマネの計画が先。サ責の計画はその内容に沿って作ります。だから、計画にないことを頼まれたとき、サ責は「まずケアマネさんに」と言います。
⚠ たらい回しではありません。◎ 第3号(担当者会議への出席等による連携)と第2号の2(情報提供)のとおり、ケアマネにつなぐのはサ責の条文上の仕事です。 なぜサービス提供責任者は「まずケアマネに」と言うのか
条文が決めていないところ
◎ 8つも書かれている職種ですが、決まっていないところがあります。
- サ責自身が、どれだけ訪問に出るか(⚠ 専従のサ責もいれば、訪問もするサ責もいます)
- ヘルパーからの相談を、いつ・どうやって受けるか(電話か、事業所に戻ってからか)
- 訪問先で予定外のことを頼まれたとき、その場でサ責につなぐか、持ち帰るか
- 研修を、いつ・どの形でするか(第7号は「実施する」までしか書いていません)
◎ これらは、事業所の運営規程で決まっています。運営規程には 「従業者の職種、員数及び職務の内容」と「緊急時等における対応方法」を書くことになっています(省令37号第29条第2号・第6号)。 ⚠ 訪問介護では、サービス開始のときに運営規程の概要を利用者又はその家族に文書で説明することになっています(同第8条)。ご家族は持っていて、ヘルパーは見たことがない、ということが起こり得ます。
この人に頼めること/頼めないこと
訪問先で迷ったことの相談(第4号:指示を出す人です)
計画の内容の確認・見直しの相談
ケアマネジャーへの連絡(第2号の2・第3号)
利用者の状態の変化の報告
研修・技術指導(第7号)
医療的な判断
計画にないサービスを、その場で足すこと
ケアマネジャーの計画そのものを変えること
⚠ 「計画にない」は断りではなく、ケアマネにつなぐ手続きの話です。
◎ サ責を通せば、変更の相談ができます
まとめ
- ◎ 訪問介護計画を作り、ヘルパーに指示を出す人です(省令37号第24条・第28条第3項)
- ◎ 利用者40人に1人以上。介護福祉士その他厚生労働大臣が定める者(第5条第2項・第4項)
- ◎ 計画は作成・説明と同意・交付・実施状況の把握・変更まで(第24条)
- ◎ 8つの業務が番号つきで書かれています。ヘルパーへの指示(第4号)、ケアマネへの情報提供(第2号の2)、担当者会議(第3号)
- ⚠ 計画は一方通行。ケアマネの計画が先(第24条第2項)
- ⚠ サ責がどれだけ現場に出るか、相談をどう受けるかは、事業所ごとです(運営規程)
- ⚠ 通所介護にはサ責はいません
やさしい 日本語(にほんご)
1 ◎ どんな 人(ひと)ですか
訪問(ほうもん)介護(かいご)の 事業所(じぎょうしょ)で、
計画(けいかく)を つくって、ヘルパーに「何(なに)を どう するか」を 言(い)う 人です。
◎ ヘルパーが こまった とき、聞(き)く 相手(あいて)は この 人です。法律(ほうりつ)に そう 書(か)いて あります。
2 ◎ 法律に 書いて ある しごと
- 計画を つくる。せつめいして、どういを もらう。わたす
- ◎ ヘルパーに、目標(もくひょう)と やる ことを 言う
- ◎ ケアマネジャーに、利用者(りようしゃ)の ようすを つたえる(くすり・口(くち)の ことも)
- けんしゅうを する
3 ◎ 計画は、ケアマネが 先(さき)
① ケアマネの 計画 → ② サ責の 計画
⚠ この じゅんばんは、法律に 書いて あります。
◎ だから、計画に ない ことを たのまれたら、サ責は「まず ケアマネさんに」と 言います。いじわる では ありません。
4 ◎ 訪問先(さき)で こまったら
◎ 「サ責の 〇〇さんに 聞いて から、おへんじします」——これで いいです。
⚠ その場(ば)で、じぶんで きめなくて いいです。
5 ⚠ 決(き)まって いない ところ
⚠ サ責が どれだけ 訪問に 出(で)るか。そうだんを 電話(でんわ)で 受(う)けるか。
◎ これは 事業所に よって ちがいます。あなたの 事業所の やり方を、さいしょに 聞いて ください。
※ この ページは 一般(いっぱん)の せつめいです。しごとの わけかたは、事業所(じぎょうしょ)に よって ちがいます。かならず あなたの 事業所(じぎょうしょ)で たしかめて ください。
あわせて読む
根拠にした資料
- 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)第5条第2項・第4項・第5項(サービス提供責任者の配置と資格)、第8条(内容及び手続の説明及び同意)、第24条(訪問介護計画の作成)、第28条第3項(サービス提供責任者の8つの業務)、第29条第2号・第6号(運営規程)