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生活相談員・サービス提供責任者の側から

なぜサービス提供責任者は「まずケアマネに」と言うのか

まず、これだけ

利用者さんに「ついでにこれもお願いできる?」と言われた。サービス提供責任者に相談したら、「まずケアマネさんに」。目の前のことなのに、なぜ遠回りをするのか。

順番が、決まりで決められているからです。訪問介護の計画は、すでにケアプランがあるときは、その内容に沿って作らなければならないと書かれています。ケアプラン → 訪問介護計画。この向きは一方通行です。

だから、サービス提供責任者は勝手に足せません。先にプランのほうが動かないと、こちらの計画も動かせない。⚠ 順番を飛ばすと、料金の扱いまで変わることがあります。

やさしい日本語で読むくわしい根拠を見る

最終更新:2026年9月 / 高齢者支援実務研究所

もくじ

  1. 向きが決まっています
  2. 計画づくりも、変更も、同じ4つを通ります
  3. ⚠ 飛ばすと、料金の扱いまで変わります
  4. ◎ サ責の仕事は、8つ書かれています
  5. ◎ 「ケアマネに伝える」は、義務のほうです
  6. だから、こう言えば通ります
  7. ここから先は、本当に無理です
  8. 記録にどう残すか
  9. まとめ

向きが決まっています

指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)第24条第2項です。1行しかありません。

訪問介護計画は、既に居宅サービス計画が作成されている場合は、当該計画の内容に沿って作成しなければならない。

できることできないこと
ケアプランに沿って、訪問介護計画を作る・変える訪問介護計画のほうを先に変えて、ケアプランを後から合わせる
気づいたことをケアマネジャーに伝えるサ責の判断で、プランにないサービスを足す

「まずケアマネに」は、押しつけでも面倒がっているのでもありません。その1行で、向きが決まっています。

だから、サ責に相談したことは無駄になりません。サ責からケアマネジャーへ伝えるところまでが、条文に書かれた仕事です(§5)。

計画づくりも、変更も、同じ4つを通ります

同じ第24条です。第1項から第6項まで、順番に並んでいます。

中身
第1項サービス提供責任者は、利用者の日常生活全般の状況及び希望を踏まえて、目標と具体的なサービスの内容等を記載した訪問介護計画を作成しなければならない
第2項既に居宅サービス計画があるときは、その内容に沿って作成しなければならない
第3項内容について利用者又はその家族に説明し、利用者の同意を得なければならない
第4項作成した際には、利用者に交付しなければならない
第5項作成後、実施状況の把握を行い、必要に応じて変更を行う
第6項第1項から第4項までの規定は、変更について準用する

第6項に注目してください。変更のときも、作るときと同じ4つ(作成・プランに沿う・説明と同意・交付)をもう一度通ります。「ちょっと変えるだけ」で済まないのは、これが理由です。

ケアマネジャーの側にも、まったく同じ形の条文があります(変更にも作成時の手順を準用する)。なぜ日時をずらすだけで担当者会議なのか に書きました。両方が同じ作りになっているので、片方だけ早く動かすことができません。

⚠ 飛ばすと、料金の扱いまで変わります

ケアプランに位置づけられていないサービスは、窓口で1割負担にならないことがあります。介護保険のもともとの決まりは「いったん全額を払って、あとから9割の払い戻しを受ける」形で、1割で済んでいるほうが例外の扱いだからです。その例外の入口の条件が、ケアプランへの位置づけです。

だから「先にやってしまう」は、利用者さんの負担に跳ね返る可能性があります。くわしくは なぜ「プランにないからできない」と言うのか に整理しました。

ここは「事業所が損をする」話ではなく、「利用者さんが払う額が変わるかもしれない」話です。だから、サ責はその場で首を縦に振れません。

◎ サ責の仕事は、8つ書かれています

省令第37号第28条第3項です。◎ 生活相談員と違って、こちらは条文に書かれています(→ なぜ生活相談員の仕事の範囲は事業所ごとに違うのか)。

サービス提供責任者が行う業務
指定訪問介護の利用の申込みに係る調整をすること
利用者の状態の変化やサービスに関する意向を定期的に把握すること
二の二居宅介護支援事業者等に対し、服薬状況、口腔機能その他の心身の状態及び生活の状況に係る必要な情報の提供を行うこと
サービス担当者会議への出席等により、居宅介護支援事業者等と連携を図ること
訪問介護員等に対し、具体的な援助目標及び援助内容を指示するとともに、利用者の状況についての情報を伝達すること
訪問介護員等の業務の実施状況を把握すること
訪問介護員等の能力や希望を踏まえた業務管理を実施すること
訪問介護員等に対する研修、技術指導等を実施すること
その他サービス内容の管理について必要な業務

「四」を見てください。ヘルパーに具体的な援助目標と援助内容を指示するのは、サ責の条文上の仕事です。◎ だから「どこまでやっていいか」は、サ責に聞いてよいことです。遠慮する場面ではありません。

◎ 「ケアマネに伝える」は、義務のほうです

「二の二」と「三」は、サ責からケアマネジャーへ向かう条文です。

二の二服薬状況、口腔機能その他の心身の状態及び生活の状況について、必要な情報の提供を行うこと
サービス担当者会議への出席等により、連携を図ること

つまり「まずケアマネに」は、たらい回しではありません。あなたが伝えたことをケアマネジャーに渡すところまでが、サ責の仕事として書かれています。 "Hãy báo cho care manager trước" KHÔNG phải là đùn đẩy. Luật ghi rõ: người phụ trách cung cấp dịch vụ CÓ NGHĨA VỤ chuyển thông tin cho care manager.

だから、伝え方を工夫すると早く動きます。「〇〇してほしいと言われました」だけより、いつから/どのくらいの頻度で/今どうしているかを添えると、そのまま「二の二」の情報提供に乗ります。

だから、こう言えば通ります

場面言い方の型(いずれも一例です)
利用者さんに頼まれた(ヘルパー側)できるかどうか、いま私では決められません。サービス提供責任者に必ず伝えて、お返事します。
=⚠ 断らない。決める人と、返事をすることを置く
サ責に伝えるとき◎ 「〇月〇日から週〇回、〇〇を頼まれています。いまは〇〇で対応しています」
いつから/頻度/現状。そのままケアマネジャーへの情報提供に乗ります
「まずケアマネに」と言われたケアマネさんに伝えていただけますか。こちらから出せる情報はありますか」
=◎ 伝えるのはサ責の条文上の仕事です。頼んでよいことです
どこまでやってよいか分からない◎ 「この方の援助内容を、もう一度教えていただけますか。
「具体的な援助目標及び援助内容を指示する」のはサ責の仕事です
利用者さんに待っていただくときプランに入れる手続きがありますので、少しお時間をください。入っていないと、お支払いの扱いが変わることがあります」
=◎ ご本人の負担の話として伝えると、伝わりやすい

ここから先は、本当に無理です

中身
法令上の線
(言い方では動きません)
ケアプランに沿わない訪問介護計画は作れません。条文が「沿って作成しなければならない」と書いています
訪問介護計画を先に変えて、あとからプランを合わせることはできません
変更のときも、説明・同意・交付をもう一度通ります(第24条第6項)
相談できる線伝える早さ/情報の出し方/担当者会議で何を言うか/緊急にどう動くか
◎ そしてそもそもプランに入れてもらえるかどうかの相談は、いつでもできます

記録にどう残すか

頼まれたことを上げるとき(ヘルパー→サ責)
〇月〇日 10:40 訪問時、〇〇様より「ゴミ出しもお願いできないか」とのお申し出。当方より、その場では決められないこと、サービス提供責任者に伝えてお返事する旨をお伝えした。〇月ごろから週2回、ご自身で出すのが難しくなっている様子。11:10 サービス提供責任者〇〇へ報告ずみ。

「いつから」「どのくらい」を1行入れてください。それがあると、サ責からケアマネジャーへの情報提供にそのまま乗り、プランの検討が1回分早く進みます。「頼まれました」だけだと、そこで一度止まります。

まとめ

やさしい 日本語(にほんご)

1 なにが おきますか

利用者(りようしゃ)さんが 言(い)います。
ついでに これも おねがい できる?
サービス提供責任者(ていきょうせきにんしゃ)に 聞(き)くと、
まず ケアマネさんに
あなたは 思(おも)います。「とおまわり では?

2 なぜ そう 言(い)いますか

順番(じゅんばん)が、法律(ほうりつ)で 決(き)まって います。

ケアプラン → 訪問介護(ほうもんかいご)の 計画(けいかく)

この 向(む)きは 一方通行(いっぽうつうこう)です。
反対(はんたい)には できません。

だから サービス提供責任者も、かってに ふやせません。

3 とばすと どう なりますか

利用者さんの はらう お金(かね)が かわる ことが あります。
 プランに 入(はい)って いないと、1割(わり)に ならないことが あります。

事業所(じぎょうしょ)の 都合(つごう)では ありません。利用者さんの ためです。

4 だいじな こと

「まず ケアマネに」は、たらいまわし では ありません。
 法律に 「ケアマネに 情報(じょうほう)を つたえる」と 書(か)いて あります。
 サービス提供責任者の 仕事(しごと)です。

5 あなたは こう 言(い)います

※ この ページは 日本(にほん)の 法律に ついて 書いて います。あなたの 事業所(じぎょうしょ)の きまりも、かならず 見(み)て ください。

サ責への報告の様式を配っています

「いつから/どのくらい/いまどうしているか」を1枚で上げられる形にしています。いずれも一例です。事業所に合わせて書き換えてお使いください。登録は要りません。

様式をダウンロード → 訪問介護の人へ

根拠にした資料

個人の経験ではなく、公開されている資料をもとに整理しています。
  • 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)第24条・第28条
  • 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)第13条第16号(対照のため)
  • 介護保険法(平成9年法律第123号)第41条第1項・第6項/介護保険法施行規則(平成11年厚生省令第36号)第64条
この記事について 一般的な情報提供を目的としています。法令や通知の解釈を最終的に行うのは、所管の行政庁と裁判所です。 ここに挙げた条番号は訪問介護のものです。サービスの種類ごとに条番号も内容も異なります。 ケアプランに位置づけられていない場合の費用の扱いは、サービスの種類と保険者の取り扱いによって異なります。必ずご確認ください。 ここで書いているのは、法令上の枠組みです。特定の誰かの考えや意図を書いたものではありません。 実際の対応は、所属事業所の規程および、サービス提供責任者・担当のケアマネジャーの指示に従ってください。制度・通知・法令は改正されることがあります。
ベトナム語 参考訳です。母語話者による確認は受けていません。誤りにお気づきの方はご連絡ください。