ケアマネジャーは、何をする人か
◎ 介護の職種のなかで、仕事の中身が条文にいちばん細かく書かれている職種です。計画を作る、担当者会議を開く、定期的に会って記録する。ひとつずつ、条文に書いてあります。
⚠ 細かいぶん、はずせないものが多い職種でもあります。「プランにないので」と返ってくるのは、意地悪ではなく、この形のためです。
◎ そして、居宅のケアマネジャーと施設のケアマネジャーでは、条文の細かさが違います。同じ呼び名でも、決まり方が別です。
もくじ
ひとことで言うと
◎ ご本人の相談に応じ、サービスを使えるように、あちこちと連絡調整をする人です。 国家資格ではなく「介護支援専門員証」の交付を受けた人です。
⚠ そして、計画という紙をつくる責任を負っています。その紙が、他の事業所の計画のもとになります。
法律にある定義
介護保険法(平成9年法律第123号)第7条第5項
「…要介護者等からの相談に応じ、及び要介護者等がその心身の状況等に応じ適切な…サービス…を利用できるよう 市町村、居宅サービス事業を行う者…等との連絡調整等を行う者であつて、…介護支援専門員証の交付を受けたものをいう」
◎ 「相談に応じ」と「連絡調整」の2つが、定義の芯です。
条文が決めている仕事
◎ 居宅のケアマネジャーは、省令にかなり細かく書かれています(指定居宅介護支援等の基準=平成11年厚生省令第38号 第13条)。
| 条文 | 決めていること |
|---|---|
| 第13条第2号 | ◎ 利用者又はその家族に、理解しやすいように説明する |
| 第13条第9号 | サービス担当者会議を開き、担当者から専門的な見地の意見を求める |
| 第13条第13号・第14号 | ◎ 少なくとも1月に1回、利用者に面接し、居宅を訪問する。1月に1回、結果を記録する |
| 第14条 | 給付管理(利用の状況を市町村・国保連に伝えるしくみ) |
⚠ 「月に1回、必ず訪問して記録する」までが条文に書かれています。◎ これは、他の職種にはほとんどない細かさです。 なぜ毎月モニタリングに来るのか
居宅と施設で、細かさが違います
⚠ 同じ「ケアマネジャー」でも、居宅と施設では条文の細かさが違います。
| どちらか | 面接・記録の決まり |
|---|---|
| 居宅(省令38号第13条) | ◎ 「少なくとも一月に一回」と回数が書かれています |
| 施設(省令39号第12条) | ⚠ 「定期的に」とだけ書かれています |
⚠ 施設のほうは、どれくらいの間隔かが条文にありません。 ◎ だから、施設によって違います。自分の施設ではどうなっているかを、確かめてください。
◎ 担当者会議は、どちらにもあります(居宅=第13条第9号/施設=省令39号第12条第6項)。
計画は「一方通行」と条文に書いてあります
指定居宅サービス等の基準(省令37号)第24条第2項
訪問介護計画は、「既に居宅サービス計画が作成されている場合は、当該計画の内容に沿って作成しなければならない」
◎ ケアマネジャーの計画がまずあって、事業所の計画はその内容に沿って作ります。逆はありません。
⚠ だから「まずケアマネさんに」と言われます。たらい回しではなく、条文の向きのためです。 ◎ そして、飛ばすと事業所の側の請求の前提が崩れることがあります。 なぜサ責は「まずケアマネに」と言うのか
条文が決めていないところ
◎ これだけ細かく書かれている職種でも、決まっていないところがあります。
- ご家族からの日々の相談を、どこまで受けるか(⚠ 物品の相談を受ける事業所もあります)
- 施設の場合、面接と記録をどれくらいの間隔で行うか(前の項のとおりです)
- 現場の職員と、どのタイミングで情報をやりとりするか
- 今後の見通しを、いつ・誰が家族に話すか
◎ これらは、事業所の運営規程で決まっています。運営規程には 「従業者の職種、員数及び職務の内容」を書くことになっています(特養=省令39号第23条第2号)。 その概要は掲示されているか、ウェブサイトに載っています(同第29条)。
この人に頼めること/頼めないこと
計画の内容の相談・見直し
サービスを増やす・減らすの相談
担当者会議を開いてもらうこと
他の事業所・市町村との連絡調整
区分変更の相談
医療的な判断
要介護度そのものを変えること
計画にないサービスを、その場で足すこと
⚠ 「プランにないので」は、断りではなく手続きの話です。
◎ 必要なら、変更の相談ができます
まとめ
- ◎ 「相談に応じ」「連絡調整を行う」人です(介護保険法第7条第5項)
- ◎ 仕事の中身が、条文にいちばん細かく書かれている職種です
- ◎ 居宅は「少なくとも一月に一回」面接・訪問・記録(省令38号第13条第13号・第14号)
- ⚠ 施設は「定期的に」としか書かれていません(省令39号第12条第10項)。間隔は施設によって違います
- ◎ 計画は一方通行。ケアマネの計画が先、事業所の計画があと(省令37号第24条第2項)
- ⚠ 「プランにないので」は、断りではなく手続きの話です
- ⚠ それでも、家族対応の範囲などは事業所ごとに違います
やさしい 日本語(にほんご)
1 ◎ どんな 人(ひと)ですか
ご本人(ほんにん)の そうだんを きいて、
どの サービスを つかうかを 計画(けいかく)に する 人です。
◎ やくしょ、びょういん、ほかの じぎょうしょ とも れんらくします。
2 ◎ 法律(ほうりつ)に こまかく 書(か)いて あります
- 計画(けいかく)を つくる
- かいぎ(サービス担当者会議)を ひらく
- ◎ おうちの ケアマネは、1か月に 1かい あいに 行(い)く
- ◎ 1か月に 1かい、記録(きろく)を 書(か)く
3 ⚠ しせつの ケアマネは、すこし ちがいます
おうちの ケアマネ → 「1か月に 1かい」と 書いて ある
しせつの ケアマネ → ⚠ 「ときどき」としか 書いて ない
◎ だから、しせつに よって ちがいます。
4 ◎ 計画(けいかく)は、さきに ケアマネが つくります
① ケアマネの 計画 → ② じぎょうしょの 計画
⚠ この じゅんばんは、法律に 書いて あります。ぎゃくは ありません。
◎ だから「まず ケアマネさんに」と 言(い)われます。
⚠ いじわる では ありません。
5 ◎ 「プランに ないので」の いみ
⚠ 「できません」では ありません。
◎ 「計画(けいかく)を かえる そうだんが いります」という いみ です。
◎ ひつようなら、こう 言(い)って いいです。
「計画(けいかく)を かえる そうだんは できますか」
※ この ページは 一般(いっぱん)の せつめいです。しごとの わけかたは、事業所(じぎょうしょ)に よって ちがいます。かならず あなたの 事業所(じぎょうしょ)で たしかめて ください。
あわせて読む
根拠にした資料
- 介護保険法(平成9年法律第123号)第7条第5項(介護支援専門員の定義)
- 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)第13条第2号・第9号・第13号・第14号、第14条
- 指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第39号)第12条(施設サービス計画。第1項=作成の担当、第6項=担当者会議、第10項=定期的な面接と記録)、第23条第2号、第29条
- 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)第24条第2項(居宅サービス計画に沿って作成)