なぜ日時をずらすだけで担当者会議なのか
曜日を1つずらすだけなのに、「会議をします」と言われる。そこまでするのか、と思います。
計画を変えるときは、作るときと同じ手順をもう一度たどる決まりになっているからです。家を訪ねて、会議を開いて、書面で同意をもらって、配る。作成時と変更時が、同じ重さです。
◎ 本当に日時だけなら「軽微な変更」で、会議は要りません。⚠ ただし国の通知は「あくまで例示であり、個別に判断されるべき」と釘を刺しています。事業所ごとに慎重さが違うのは、ここが理由です。
もくじ
変更にも、作るときと同じ手順がかかります
指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)第13条第16号です。
第三号から第十二号までの規定は、第十三号に規定する居宅サービス計画の変更について準用する。
⚠ たった1行ですが、これが効きます。「準用する」=新しく作るときと同じ手続きを、変更のときにも踏めという意味です。
その一巡は、これだけあります
| 号 | やること |
|---|---|
| 第6号 | 課題分析(解決すべき課題の把握) |
| 第7号 | ⚠ 課題分析は、利用者の居宅を訪問し、利用者及びその家族に面接して行わなければならない |
| 第8号 | 居宅サービス計画の原案を作成 |
| 第9号 | ⚠ サービス担当者会議の開催により、担当者から専門的見地の意見を求める(テレビ電話装置等の活用可。⚠ 利用者・家族が参加する場合は、その活用について当該利用者等の同意が必要) |
| 第10号 | 原案について、保険給付の対象となるかどうかを区分した上で説明し、文書により同意を得る |
| 第11号 | 計画を利用者及び担当者に交付 |
| 第12号 | 事業者に訪問介護計画等の個別サービス計画の提出を求める |
「日時を1時間ずらすのに、家まで来て、会議を開いて、同意書をもらう」——条文どおりに読むと、そうなります。
◎ だから「軽微な変更」という逃げ道が用意されています。ただし、その逃げ道の幅が、条文には書かれていません(→§4)。
「軽微な変更」なら、会議は要りません
厚生労働省が示している例示には、こういったものが挙げられています。
- サービス提供の日時の変更(利用者の体調不良や家族の都合など、臨時的・一時的なもので、単なる曜日や日付の変更)
- 同一事業所における、週1回程度のサービス利用回数の増減
- 利用者の住所変更
- 事業所の名称変更
◎ だから、ほんとうに「日時をずらすだけ」なら、担当者会議は要らないことが多いです。もし会議になったなら、ケアマネジャーの側が「これは日時だけの話ではない」と見ている可能性があります。そこを聞くと早いです(→§7)。
⚠ ただし通知は「あくまで例示」と釘を刺しています
同じ資料の中で、厚生労働省は繰り返しこう書いています。
これはあくまで例示であり、「軽微な変更」に該当するかどうかは、変更する内容が同基準第13条第3号から第12号までの一連の業務を行う必要性の高い変更であるかどうかによって、個別に判断されるべきものである。
⚠ ここがケアマネジャーの立場のすべてです。「日時変更だから軽微」と決めているのは通知ではなく、その場のケアマネジャー自身です。そして、その判断が運営指導で否認されると、§5 が待っています。
だから、こう考えると分かりやすくなります。
ケアマネジャーが会議を開こうとするのは、慎重すぎるのではなく、「開かなかった」という判断を自分の名前で背負いたくないということです。開けば、少なくとも減算にはなりません。
Người quản lý chăm sóc (care manager) mở cuộc họp không phải vì quá thận trọng. Vì "quyết định KHÔNG mở" là do chính họ tự chịu trách nhiệm — còn mở thì chắc chắn không bị giảm phí.
外したときに落ちるもの
運営基準減算です。根拠は2段になっています。
| 中身 | |
|---|---|
| 減算の額 | 告示第20号 別表 居宅介護支援費 注6 所定単位数の100分の50。⚠ 2月以上継続している場合は、所定単位数を算定しない |
| どの手順を欠くと当たるか | 平成27年3月23日 厚生労働省告示第95号 第82号 指定居宅介護支援等基準第4条第2項ならびに第13条第7号、第9号から第11号まで、第14号及び第15号(⚠ これらを同条第16号において準用する場合を含む)に定める規定に適合していないこと |
⚠ かっこ書きに注目してください。「第16号において準用する場合を含む」。
つまり変更のときに手順を欠いても、同じ減算に当たります。新規のときだけの話ではありません。
当たる手順を並べると、こうです。
- 第7号 課題分析のときに居宅を訪問して面接したか
- 第9号 サービス担当者会議を開いたか(またはやむを得ない理由があって照会等をしたか)
- 第10号 原案を説明し、文書で同意を得たか
- 第11号 計画を利用者と担当者に交付したか
- 第14号 月1回の面接と、月1回の記録をしたか(→なぜ毎月かならず来るのか)
- 第15号 更新認定・区分変更認定のときに担当者会議を開いたか(→なぜ区分変更をすぐ出さないのか)
会議を開かなくてよい「やむを得ない理由」
第9号には、ただし書があります。やむを得ない理由があるときは、担当者への照会等で意見を求めることができます。
その「やむを得ない理由」を、解釈通知(平成11年7月29日 老企第22号)はこう例示しています。
| 中身 | |
|---|---|
| ① | 利用者(末期の悪性腫瘍の患者に限る)の心身の状況等により、主治の医師又は歯科医師の意見を勘案して必要と認める場合 |
| ② | ⚠ 開催の日程調整を行ったが、サービス担当者の事由により、担当者会議への参加が得られなかった場合 |
| ③ | 居宅サービス計画の変更であって、利用者の状態に大きな変化が見られない等における軽微な変更の場合 |
◎ ②を知っておくと、話が早くなります。「その日は出られません」で終わらせず、「日程調整はしていただいたが、こちらの事由で出られない」という形にしておくと、ケアマネジャーは照会等に切り替えられます。黙って欠席するのが、いちばん困らせます。
◎ もう1つ、同じ通知にこう書かれています。「利用者やその家族の参加が望ましくない場合(家庭内暴力等)には、必ずしも参加を求めるものではない」。会議=必ず本人と家族が同席、ではありません。
だから、こう言えば通ります
| 場面 | 言い方の型(いずれも一例です) |
|---|---|
| 「会議を開きます」と言われた | 「これは軽微な変更にはなりませんか。ならない理由を教えていただけると、次から判断できます」 =角が立ちにくく、しかも本質を突いています。ケアマネジャーは根拠を持っているので、答えられます |
| 会議に出られない | ⚠ 「日程をいただきましたが、こちらの事由で参加できません。照会という形でもよろしいですか。意見は文書でお出しします」 =老企第22号の②に自分から乗る形。黙って欠席しないでください |
| 急ぎで変更したい | 「先に照会等で進めていただいて、会議はあとから開く形はとれますか。」 =やむを得ない理由に当たるかは、ケアマネジャーが判断します。聞くのは自由です |
| 会議の場所と時間が合わない | 「テレビ電話でも参加できますか。」 =第9号のかっこ書きで認められています。⚠ 利用者・家族が参加する場合は、その方の同意が要ります |
| 本人・家族の同席が難しい | 「ご本人とご家族の同席が難しい事情があります。そのうえで開けますか」 =老企第22号が「必ずしも参加を求めるものではない」場面を認めています |
ここから先は、本当に無理です
| 線 | 中身 |
|---|---|
| 法令上の線 (言い方では動きません) | サービスの種類・回数・目標が変わる変更で、手順を飛ばすことはできません。第16号が第3号〜第12号を準用しています。 また、説明と文書による同意(第10号)と計画の交付(第11号)は、口頭では代えられません |
| ケアマネジャーの判断で変わる線 (相談できます) | 「軽微な変更」に当たるかどうか。これは通知が「個別に判断されるべき」としているので、相談する余地があります/会議の開き方(テレビ電話・照会等)/日程/出席者の範囲 ⚠ ただし、外したときに減算を受けるのはケアマネジャーの事業所です。押し切らないでください |
記録にどう残すか
会議に出られないとき(照会に切り替えてもらう)
9:40 サービス担当者会議(〇月〇日14時)について、ケアマネジャー〇〇より日程の連絡。当日は職員体制の都合で参加できないため、照会等での対応が可能か確認。「文書で意見を出してもらえれば可」との回答。意見書は〇月〇日までに提出予定。
変更を相談したとき
11:20 〇〇さんの通所回数について、ケアマネジャー〇〇へ相談。「週1回程度の増減にあたるため軽微な変更で対応可能。担当者会議は開かない」との判断を受ける。変更後の計画は〇月〇日に交付予定。
◎ 「軽微な変更として扱う」という判断を、誰がしたかを書いておいてください。あとから運営指導で問われるのはケアマネジャーですが、事業所側の記録も、その判断を裏づける材料になります。
まとめ
- 第13条第16号により、計画の変更にも第3号から第12号までが準用される
- その一巡は居宅訪問・面接(7号)→ 原案 → 担当者会議(9号)→ 文書同意(10号)→ 交付(11号)
- ◎ 本当に「日時をずらすだけ」なら、多くは「軽微な変更」で会議は不要
- ⚠ ただし通知は「あくまで例示。個別に判断されるべき」と釘を刺している。判断するのはケアマネジャー自身
- 外すと運営基準減算=100分の50、2月以上でゼロ(告示20号 注6/告示95号 第82号)
- ⚠ 告示95号の該当基準には「第16号において準用する場合を含む」とある=変更のときの欠落も同じ減算
- 会議を開かなくてよい「やむを得ない理由」は3つ(末期の悪性腫瘍/日程調整したが担当者の事由で参加が得られない/軽微な変更)
- ◎ 出られないときは、黙って欠席せず「照会等でよいか」を自分から聞く
- テレビ電話も使える(第9号かっこ書き)。⚠ 利用者・家族が参加する場合は、その方の同意が要る
- ◎ 本人・家族の同席が望ましくない場合は、必ずしも参加を求めない(老企第22号)
やさしい 日本語(にほんご)
1 なにが おきますか
「時間(じかん)を すこし ずらしたい」と 言(い)いました。
ケアマネジャーが 言います。
「担当者会議(たんとうしゃかいぎ)を します」
あなたは 思(おも)います。「そんなに 大(おお)きな 話(はなし)?」
2 なぜ そう 言(い)いますか
プランを 変(か)えるとき、法律(ほうりつ)は こう 言って います。
「新(あたら)しく 作(つく)る ときと 同(おな)じ ことを して ください」
それは、
① 家(いえ)へ 行(い)って 話す ② 会議を する ③ 紙(かみ)で サインを もらう ④ 紙を わたす
◎ でも「時間を ずらすだけ」なら、会議は いりません。
⚠ ただし「どこまでが ずらすだけか」は、国(くに)が はっきり 書(か)いて いません。
だから ケアマネジャーは 自分(じぶん)で 決(き)めて、自分で 責任(せきにん)を とります。
まちがえると、お金(かね)が 半分(はんぶん)に なります。
3 あなたは どう 言(い)いますか
- 「これは かんたんな 変更(へんこう)には なりませんか」
- 会議に 出(で)られない とき——だまって 休(やす)まないで ください。
「日(ひ)にちは もらいました。でも 出られません。紙で 意見(いけん)を 出しても いいですか」
——こう 言うと、ケアマネジャーは 会議を しなくて よく なります。 - 「テレビ電話(でんわ)でも いいですか」
4 これは できません
◇ サービスの 種類(しゅるい)や 回数(かいすう)が 変わるとき、
会議や サインを とばすことは できません。
◇ 口(くち)で 言うだけでは だめです。紙が いります。
ケアマネジャーを おしきらないで ください。
まちがえた とき、お金が へるのは ケアマネジャーの 会社(かいしゃ)です。
※ この ページは 日本(にほん)の 法律に ついて 書いて います。あなたの 事業所(じぎょうしょ)の きまりも、かならず 見(み)て ください。
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何を決めて、誰が持ち帰るか。1枚に収まる形にしています。いずれも一例です。項目は事業所に合わせて書き換えてお使いください。登録は要りません。
様式をダウンロード → 困りごとから調べる根拠にした資料
- 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)第13条第6号〜第12号・第14号・第15号・第16号
- 指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準(平成12年2月10日 厚生省告示第20号)別表 居宅介護支援費 注6
- 厚生労働大臣が定める基準(平成27年3月23日 厚生労働省告示第95号)第82号
- 厚生労働省「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について」平成11年7月29日 老企第22号(令和6年度改定版)
- 厚生労働省「居宅介護支援・介護予防支援・サービス担当者会議・介護支援専門員に係る項目及び項目に対する取扱い」(軽微な変更の例示)
ベトナム語 参考訳です。母語話者による確認は受けていません。誤りにお気づきの方はご連絡ください。