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ケアマネジャーの側から

なぜ区分変更をすぐ出さないのか

まず、これだけ

「重くなったので、区分を変えてください」。ケアマネジャーは「少し待ちましょう」と言う。

区分変更は「上げてもらう申請」ではありません。いまの認定をいったん白紙にして、訪問調査からもう一度やり直す手続きです。だから⚠ 軽くなることもあります。

もうひとつ。認定の有効期間が、原則6か月に取り直されます。いま2年や3年の期間を持っている人ほど、半年後にまた手続きが来ることになります。慎重なのは、下がったときに困るのがご本人だからです。

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最終更新:2026年9月 / 高齢者支援実務研究所

もくじ

  1. 決まりは「いまとちがう区分」としか書いていません
  2. ⚠ 調査からやり直します。だから下にも動きます
  3. 有効期間が6か月に戻ります
  4. ◎ 更新が近いときの、条文上の逃げ道
  5. 申請書に「変わった中身」を書く欄があります
  6. ⚠ 代行できる人の一覧に、家族は入っていません
  7. 区分変更を受けると、担当者会議が要ります
  8. だから、こう言えば通ります
  9. ここから先は、本当に無理です
  10. 記録にどう残すか
  11. まとめ

決まりは「いまとちがう区分」としか書いていません

介護保険法(平成9年法律第123号)第29条第1項です。

要介護認定を受けた被保険者は、その介護の必要の程度が現に受けている要介護認定に係る要介護状態区分以外の要介護状態区分に該当すると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、市町村に対し、要介護状態区分の変更の認定の申請をすることができる。

「重くなったとき」とは書かれていません。制度の側から見ると、これは「いまの区分が実態と合っていないので、判定し直してください」という申請です。

なお、軽くなったときは市町村の側からも動けます第30条第1項)。「市町村は……その介護の必要の程度が低下したことにより……変更の認定をすることができる」。職権による変更です。

⚠ 調査からやり直します。だから下にも動きます

第29条第2項です。

第二十七条及び前条第五項から第八項までの規定は、前項の申請及び当該申請に係る要介護状態区分の変更の認定について準用する。

第27条には、認定の手続がひととおり書かれています。準用されるということは、そのすべてが動くということです。

準用されて動くもの
第2項市町村の職員による面接調査
第3項主治の医師に対する意見の照会(主治医意見書)
第4項・第5項認定審査会による審査及び判定
第7項結果の通知と、被保険者証への記載(区分・認定審査会意見)
第8項「その申請のあった日にさかのぼってその効力を生ずる」
(更新の第28条第4項は「前条(第八項を除く。)」と書いていますが、第29条第2項にはこの除外がありません
第11項処分は申請日から30日以内が原則(特別な理由があるときは延期の通知)

だから、こう考えると分かりやすくなります。
区分変更は「上乗せの申請」ではなく、いまの認定を白紙にして、もう一度判定してもらう手続きです。⚠ 判定が下に出ることもあります。ケアマネジャーが「本当に出しますか」と確かめるのは、慎重すぎるのではなく、下がったときに困るのはご本人だからです。 Đơn xin thay đổi mức độ chăm sóc không phải là "xin tăng lên". Luật quy định phải đánh giá lại TỪ ĐẦU, nên kết quả có thể tăng, cũng có thể GIẢM.

有効期間が6か月に戻ります

もう1つの理由が、こちらです。

どの申請か認定の有効期間
新規原則6か月(市町村が認定審査会の意見に基づき特に必要と認めるときは3か月〜12か月の範囲。介護保険法施行規則第38条)
区分変更原則6か月(設定できる範囲は3か月〜12か月
更新原則12か月(施行規則第41条第2項の読替え。範囲は3か月〜36か月、⚠ 更新後の区分が現在と同一である場合は48か月まで

ここが見落とされがちです。長い有効期間(たとえば24か月・36か月)を持っている人が区分変更を出すと、その長い期間は消えて、原則6か月に取り直されます。半年後にまた更新の手続きが来ます。

有効期間の実際の設定は市町村(保険者)が行います。上の表は原則と範囲であり、個別の期間は認定審査会の意見によって変わります。必ず保険者に確認してください。

◎ 更新が近いときの、条文上の逃げ道

介護保険法施行規則第42条第4項に、こういう規定があります。

市町村は、被保険者が現に受けている要介護認定に係る要介護認定有効期間の満了の日の六十日前から当該要介護認定有効期間の満了の日までの間において当該被保険者から……要介護状態区分の変更の認定の申請が行われた場合であって、……要介護状態区分の変更を必要ないものと認めたときは、当該申請を……要介護更新認定の申請とみなし、要介護更新認定を行うものとする。

つまり、満了60日前から満了日までの間に区分変更を出して「変わりません」と判定された場合、その申請は更新申請として扱われます。認定が切れて宙に浮く、ということにはなりません。

逆に言えば、この期間の外で出すと、この扱いはありません。ケアマネジャーが「更新が近いので、更新のときに一緒に見てもらいましょう」と言うのは、この条文が背景にあります。

申請書に「変わった中身」を書く欄があります

施行規則第42条第1項が、申請書の記載事項を定めています。第2号を見てください。

申請書に書くこと
第1号氏名、性別、生年月日、住所、個人番号 ほか
第2号心身の状況の変化その他の当該申請を行う原因となった事由
第3号現に受けている要介護状態区分と、有効期間の満了の日
第4号主治の医師があるときは、その氏名・医療機関の名称と所在地
第5号第2号被保険者のときは、原因である特定疾病の名称

ケアマネジャーが「いつから、何が、どう変わりましたか」と細かく聞くのは、この第2号があるからです。「最近しんどそう」では申請書が書けません。

そのまま書ける形は、たとえばこうです。〇月〇日ごろから、それまで手すりで昇れていた玄関の3段が昇れなくなり、〇月〇日からは介助が必要。同じ時期から入浴を1人で断るようになり、〇月は〇回中〇回を拒否。」——⚠ 日付・回数・できていたことが、いちばん強い材料です。

⚠ 代行できる人の一覧に、家族は入っていません

第27条第1項後段(第29条第2項で準用されます)が、申請の手続を代わって行える相手を列挙しています。

 条文が名指ししている代行者
指定居宅介護支援事業者(第46条第1項)
地域密着型介護老人福祉施設
介護保険施設であって厚生労働省令で定めるもの
地域包括支援センター(第115条の46第1項)

ご家族は、この4つの中に入っていません。
ただし——これは「家族が窓口に行ってはいけない」という意味ではありません。申請そのものはご本人(被保険者)が行うもので、ご家族が書類を持って行くことを禁じる規定はありません。条文が「代行」として名指ししているのが、この4つだという話です。

実際の取扱いは市町村によって異なります。ご家族が窓口で手続きできるかどうかは、お住まいの市町村に確認してください。

区分変更を受けると、担当者会議が要ります

省令第38号第13条第15号です。

介護支援専門員は、次に掲げる場合においては、サービス担当者会議の開催により、居宅サービス計画の変更の必要性について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めるものとする。ただし、やむを得ない理由がある場合については、担当者に対する照会等により意見を求めることができるものとする。
 イ 要介護更新認定を受けた場合
 ロ ⚠ 要介護状態区分の変更の認定を受けた場合

そして、第15号は運営基準減算の対象手順に入っています(告示第95号 第82号)。⚠ 区分変更の結果が出たら、担当者会議が1本立ちます。これも、すぐには出さない理由のひとつです。

会議になったときの動き方は、なぜ日時をずらすだけで担当者会議なのかに書いています。

だから、こう言えば通ります

場面言い方の型(いずれも一例です)
区分変更を出してほしい〇月〇日ごろから、〇〇ができなくなっています。回数は〇月が〇回、〇月が〇回です。区分変更の材料になりますか。
=規則第42条第1項第2号にそのまま入る形です
「様子を見ましょう」と言われたいつごろまで様子を見て、そのあと出す形でしょうか。それまでに、こちらで記録しておく項目はありますか」
=反対せずに、次の一歩を決める言い方です
更新が近いと言われた満了はいつですか。更新のときに一緒に見ていただく形でよいでしょうか」
=規則第42条第4項の60日の窓を意識した言い方です
下がるのが心配⚠ 「下がった場合、いまのサービスはどうなりますか。
=先に聞いておけば、出すかどうかを決められます
ご家族から相談された申請の代行は、居宅介護支援事業者や地域包括支援センターができることになっています。まずケアマネジャーにご相談ください」
=法第27条第1項後段。⚠ 窓口での取扱いは市町村によります

ここから先は、本当に無理です

中身
法令上の線
(言い方では動きません)
「調査だけ省いて区分だけ上げる」ことはできません。第29条第2項が第27条を準用しており、面接調査と主治医意見書と認定審査会は必ず動きます。
また、判定の結果そのものを、事業所やケアマネジャーが決めることはできません。決めるのは認定審査会と市町村です
相談できる線出すかどうか/出す時期(更新との関係)/申請書に書く「原因となった事由」の中身/主治医への伝え方
とくに主治医意見書は、判定に大きく効きます。受診に付き添う人がいるなら、変化を書いたメモを持って行く形は相談できます

記録にどう残すか

変化に気づいたとき(申請の材料になります)
〇月〇日 9:20 入浴介助。これまで手すりを使って自力でまたげていた浴槽の縁を、両脇介助でないとまたげず。〇月に入ってから3回中3回とも同じ。〇月は5回中0回。ケアマネジャー〇〇へ〇月〇日に報告。

区分変更を相談したとき
14:05 ケアマネジャー〇〇へ、上記の変化を報告し区分変更の要否を相談。「更新が〇月〇日満了なので、更新に合わせて出す方向で検討したい。それまで入浴と移動の記録を続けてほしい」との回答。次回訪問は〇月〇日。

「できていたことが、いつから、どのくらいできなくなったか」を書いてください。「ADL低下」とだけ書いた記録は、申請書の第2号に書き写せません。回数と日付が入った記録が、いちばん強い材料になります。

まとめ

やさしい 日本語(にほんご)

1 なにが おきますか

「利用者(りようしゃ)さんが 重(おも)く なりました。
区分(くぶん)を 変(か)えて ください」と 言(い)いました。
ケアマネジャーが 言います。
すこし 待(ま)ちましょう

2 なぜ そう 言(い)いますか

りゆうは 2つ あります。

① 上(うえ)にも 下(した)にも 動(うご)きます
法律(ほうりつ)は 「いまと ちがう 区分」と 書(か)いて います。
重く なった とき」とは 書いて いません。
調査(ちょうさ)を 最初(さいしょ)から やり直(なお)します。だから 軽(かる)く なる ことも あります。

② 期間(きかん)が みじかく なります
いま 24か月 や 36か月 の 人(ひと)も、
区分を 変えると 6か月に なります。
半年(はんとし)あとに、また 手続(てつづ)きです。

3 あなたは どう 言(い)いますか

4 これは できません

「調査を しないで、区分だけ 上げる」——できません。

ケアマネジャーが 区分を 決(き)めるのでは ありません。
 決めるのは 市町村(しちょうそん)審査会(しんさかい)です。

※ この ページは 日本(にほん)の 法律に ついて 書いて います。市町村(しちょうそん)で やりかたが ちがう ことが あります。かならず 聞(き)いて ください。

変化を書き留める様式を配っています

「できていたことが、いつから、どのくらいできなくなったか」を1枚で残せる形にしています。いずれも一例です。項目は事業所に合わせて書き換えてお使いください。登録は要りません。

様式をダウンロード → 困りごとから調べる

根拠にした資料

個人の経験ではなく、公開されている資料をもとに整理しています。
  • 介護保険法(平成9年法律第123号)第27条・第28条・第29条・第30条
  • 介護保険法施行規則(平成11年厚生省令第36号)第38条・第40条・第41条・第42条
  • 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)第13条第15号・第16号
  • 厚生労働大臣が定める基準(平成27年3月23日 厚生労働省告示第95号)第82号
  • 厚生労働省「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について」平成11年7月29日 老企第22号(令和6年度改定版)
この記事について 一般的な情報提供を目的としています。法令や通知の解釈を最終的に行うのは、所管の行政庁と裁判所です。 認定の有効期間の設定、申請の窓口での取扱い、代行の運用は、市町村(保険者)によって異なります。ここに書いた原則がそのまま当てはまるとは限りません。必ずお住まいの市町村にご確認ください。 要介護状態区分を判定するのは介護認定審査会と市町村です。介護支援専門員や事業所が決めるものではありません。 ここで書いているのは、介護支援専門員に課されている法令上の枠組みです。特定の誰かの考えや意図を書いたものではありません。 実際の対応は、所属事業所の規程および、担当のケアマネジャー・保険者の定めに従ってください。制度・通知・法令は改正されることがあります。
ベトナム語 参考訳です。母語話者による確認は受けていません。誤りにお気づきの方はご連絡ください。