第一報の言い方 — 5つだけ言えば伝わる
報告が遅れるのは、「うまく説明できないから」であることが多いです。
でも、第一報に説明はいりません。5つだけ言えば、伝わります。
原因も、なぜそうなったかも、言わなくていいです。 分からないことは「分かりません」と言ってください。
第一報の型(5つ)
①誰が ②いつ ③どこで ④何が起きた ⑤今どうしている
そのまま言える型
「田中様が、10時20分に、居室の床にいるところを、発見しました。 今、そばについています。動かしていません。看護師さんを呼んでください。」
Ông/Bà Tanaka, lúc 10 giờ 20, tôi phát hiện nằm dưới sàn phòng. Tôi đang ở bên cạnh, chưa di chuyển. Xin gọi y tá.これで十分です。原因も、なぜそうなったかも、言わなくていいです。
言葉が出ないときは、これだけ
| 伝えたいこと | 言い方 |
|---|---|
| とにかく人を呼ぶ | 「手伝ってください!」 Xin hãy giúp tôi! |
| 誰が・何が | 「〇〇さん、ころびました」「〇〇さん、床にいます」 Ông/Bà 〇〇 bị ngã rồi. / đang nằm dưới sàn. |
| 看護師を | 「看護師さんを呼んでください」 Xin hãy gọi y tá. |
| 救急を | 「救急車を呼んでください」 Xin hãy gọi xe cấp cứu! |
| 動かさないで | 「動かさないでください」 Xin đừng di chuyển. |
日本語がうまく出なくても、まったく問題ありません。
「手伝ってください」と「〇〇さん」の2つが言えれば、それで人は来ます。あとは一緒にやればいいのです。
うまく説明できないから黙る——これがいちばん危ないです。
「見た」と「見ていない」を分けて言う
「転倒しました」「ベッドから落ちました」
→ 見ていないなら、これは推測です。
「床にいるところを発見しました」
→ 「発見しました」は、いちばん正確な言葉です。
書き方については 事故報告書に「特変なし」と書いてはいけない もあわせてどうぞ。
受けた側の、最初の一言
第一報を受けた人の最初の言葉を「ありがとう」にしてください。「なんで」は聞かない。
第一報のときに何を言われたかで、その職員が次に報告するかどうかが決まります。 そして、次の事故の重さが変わります。
やってはいけないこと
- 「朝まで待とう」と考える
- 見ていないのに「転倒した」と書く
- 片づけてから報告する
- 「たいしたことない」と自分で判断する
- 発見者ひとりでご家族に説明する
ご家族への説明は、発見者ひとりにさせないでください。 必ずリーダー以上が同席します。発見者は同席してもよいですが、ひとりにしない。
報告までの時間を、数える
第一報が何分後だったか。それが、その職場の空気を表します。
| 発見から第一報まで | 日勤/夜勤/休日べつに数える |
|---|---|
| 5分以内 | |
| 5〜30分 | |
| 30分〜数時間 | |
| 次の勤務帯以降 | |
| 不明・記録なし |
| こうなっていたら | 次の1か月でやること(一例) |
|---|---|
| 30分以上が多い | 報告しにくい空気があります。技術ではなく空気の問題です。第一報を受けた人の言葉を全員で確認する。「ありがとう」から始まっているか |
| 夜勤で遅い | 連絡先が不明確か、「呼びにくい」空気があります。連絡先一覧を貼る。「迷ったら呼ぶ」をルールにして、実際に呼ばれても歓迎する |
| 「不明・記録なし」が多い | 様式の問題。「発見時刻」と「第一報の時刻」の2つの欄を作る |
| 家族連絡が翌日になっている | 夜間の連絡ルールを決める。誰が、どこまでの事故で、いつ連絡するか |
| 発見者が家族対応している | すぐ止めてください。リーダー以上が同席するルールを徹底する |
| 事故が増えた | 報告されるようになった可能性があります。ヒヤリハットの数も一緒に見る |
集計表と連絡先一覧のテンプレートは 様式のダウンロード から印刷できます。
まとめ
- 第一報は5つだけ。誰が・いつ・どこで・何が・今どうしている
- 原因は言わなくていい。「分かりません」でいい
- 言葉が出ないなら「手伝ってください」+「〇〇さん」
- 「転倒した」ではなく「発見しました」
- 受けた側の最初の一言は「ありがとう」
- ご家族への説明を、発見者ひとりにさせない
- 報告までの時間を数える。30分以上が多いのは空気の問題
やさしい 日本語(にほんご)
1 ◎ さいしょの ほうこくは、5つだけ です
⚠ せつめいは いりません。◎ りゆうも 言(い)わなくて いいです。
- ① だれが (あなたの 名前(なまえ))
- ② いつ (なんじ なんふん)
- ③ どこで (へや・トイレ・ろうか)
- ④ なにが あった
- ⑤ いま どうして いる
◎ れい
「田中(たなか)です。10時20分、301号室(ごうしつ)で、
山田(やまだ)さんが 床(ゆか)に すわって いました。いま そばに います」
2 ◎ わからない ことは 「わかりません」で いいです
⚠ 「どうして そうなったか」は、言わなくて いいです。
⚠ むりに 考(かんが)えて 言うと、まちがった 記録(きろく)に なります。
◎ 「わかりません」は、いちばん 正(ただ)しい 答(こた)えです。
3 ⚠ ことばが 出(で)ない ときは
◎ この 2つ だけ 言(い)って ください。
「手伝(てつだ)って ください」 + 「〇〇さん」
◎ これで つたわります。あとは 来(き)た 人(ひと)が 聞(き)きます。
4 ⚠ 「見(み)た」と 「見て いない」を 分(わ)けます
⚠ ころんだ ところを 見て いない とき
✕ 「ころびました」 → ◎ 「(床に いるのを)見つけました」
◎ 見て いないのに「ころんだ」と 言うと、うその 記録(きろく)に なります。
5 ◎ すぐ 言(い)って ください
⚠ 「おこられる かも しれない」と 思(おも)って、まつ 人が います。
⚠ その 時間(じかん)が いちばん あぶない です。
◎ すぐ 言えば、たいてい だいじょうぶ です。
6 ◎ ほうこくを 受(う)ける 人へ
◎ さいしょの ひとことは 「ありがとう」です。
⚠ 「なんで」と 聞(き)かないで ください。つぎから 言えなく なります。
※ この ページは 日本(にほん)の 法律(ほうりつ)と、現場(げんば)の きまりに ついて 書(か)いて います。あなたの 事業所(じぎょうしょ)の きまりも、かならず 見(み)て ください。
ふりがなと やさしい 日本語は、この 研究所(けんきゅうじょ)が つけた ものです。まちがいが あれば、教(おし)えて ください。
あわせて読む
根拠にした資料
- 厚生労働省「介護保険施設等における事故の発生又はその再発を防止するための指針」に関する基準・通知
- 厚生労働省「介護保険施設等における事故報告様式の統一化について」(令和3年3月19日 老高発0319第1号ほか)
- 厚生労働省 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(高齢者虐待防止法)に関する案内
- 厚生労働省 労働安全衛生法に基づく事業場におけるメンタルヘルス対策・産業保健に関する指針
- 公益財団法人日本医療機能評価機構 医療事故情報収集等事業(ヒヤリ・ハット事例収集)
ベトナム語 参考訳です。母語話者による確認は受けていません。誤りにお気づきの方はご連絡ください。