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どこから考えるか

あざが減らないとき、どこから考えるか

まず、これだけ

気をつけているのに、あざが減らない。毎月「原因不明」が並び、集計だけが増えていきます。ご家族への説明も、だんだん苦しくなります。

部位べつに数えてください。「今月8件」ではなく「すね4・前腕3・腰1」と並べます。⚠ 同じ場所に出ているなら、当たっている物があります。

人ではなく、物から探します。すねと前腕は、行き先がだいたい決まっています。⚠ そしてあざが増えたのに介助を変えていないなら、体のほうが変わっています。

やさしい日本語で読むくわしく読む

最終更新:2026年9月 / 高齢者支援実務研究所

もくじ

  1. 「原因不明」が並ぶ理由
  2. 5つの方向に分けて確かめる
  3. ① 用具・設定 — 当たっている物をさがす
  4. ② その方の変化 — 薬と皮膚
  5. ③ 環境
  6. ④ 手順・見守り — 持ち方
  7. ⑤ 体制・人数・伝達
  8. 確かめたことを、記録に残す
  9. まとめ

「原因不明」が並ぶ理由

あざは、できた瞬間を見ていないことがほとんどです。だから1件ずつ見ると、どうしても「原因不明」になります。⚠ 1件で原因を出そうとするのが、そもそも無理な作りです。

数えかたを変えてください。「今月8件」ではなく、体の部位べつに並べます。

すね(両方)4件/前腕(内側)3件/腰1件

すねに4件出ているなら、すねの高さに何かが当たっています。車いすのフットサポート、ベッドの柵、テーブルの脚、ポータブルトイレ。物の高さと、あざの高さを合わせてください。

あざの場所は、当たった物を教えてくれます。

すね・ひざ下=車いす・ベッド・家具の脚まわり/前腕の内側・上腕=つかんだ手/腰・おしり=移乗のときの接触や着地/肩甲骨・背中=背もたれ・ずり落ち。⚠ ただし、これは可能性であって、断定ではありません。

前腕の内側や上腕の内側にあざが並ぶときは、慎重に見てください。つかんだ跡のことがあります。
これは「誰かが虐待した」と決めつける話ではありません。◎ 急に引き止めた・とっさに支えたときにも同じ形が出ます。だからこそ、記録の残し方が大事になります。詳しくは 虐待を疑われないための記録

5つの方向に分けて確かめる

方向あざでは、とくにここ
① 用具・設定あざの高さに合う物をさがす。フットサポート・柵・家具の角
② その方の変化薬(血をさらさらにする薬など)・皮膚の弱さ・むくみ・栄養
③ 環境動線に出っぱっている物。角の保護。照明
④ 手順・見守りどこを持って介助しているか。職員によって違っていないか
⑤ 体制・人数・伝達1人でやっている介助はどれか。発見したときに記録されているか

① 用具・設定 — 当たっている物をさがす

1用具・設定

やり方は簡単です。あざの高さで、部屋をひとまわりしてください。

当てはまったら →その日のうちに、当たる物にカバーを付けるか、位置を変えてください。会議は要りません。◎ 変えたことも記録に書きます。

② その方の変化 — 薬と皮膚

2その方の変化

介助を変えていないのに あざが増えたなら、体のほうが変わっています。

当てはまったら → 看護師に伝えてください。⚠ 「薬のせいでは」と言う必要はありません。「〇月ごろから、同じ強さで支えても あざになります」——事実で十分です。  老人性紫斑と、そうでないもの

③ 環境

3環境

①と一緒に見てしまってかまいません。境目は、それほど大事ではありません。

当てはまったら →今日どかせます。物の位置は、いちばん早く変えられる対策です。

④ 手順・見守り — 持ち方

4手順・見守り

人を責める方向ではありません。見るのは「持ち方が決まっているか」です。決まっていないと、職員ごとに変わります。

当てはまったら →「この方はここを持つ」を1行決めて、申し送りと記録に書いてください。ケアの統一は、あざにいちばん効きます。  脇の下をつかまない

⑤ 体制・人数・伝達

5体制・人数・伝達

ここを書かないと、対策が「気をつける」で終わります。

当てはまったら →これは現場だけでは変えられません。事実を並べて、管理者に上げてください。

確かめたことを、記録に残す

あざは「見つけたときの記録」が、いちばん強い材料になります。部位・大きさ・色・形・痛みの有無・発見した時刻。そして⚠ 「発見した」と「転倒した」を書き分けてください。見ていないのに「ぶつけた」と書くと、記録が推測になります。

変えるのは、1つか2つだけ

✕ こう書くと動かない

「介助時に注意する」
「皮膚の観察を徹底する」
「原因不明」

誰が・いつ・何をするかが、ありません。そして翌月も同じ言葉が並びます。

〇 こう書くと動く

「フットサポートにカバーを付けた(〇月〇日・〇〇)」
「移乗は右の腰と背中を支える、と決めた(〇月〇日から)」
「すねのあざを部位べつに数え始めた(〇月から)」

物と場所と期日があります。

まとめ

やさしい 日本語(にほんご)

1 なにが おきますか

気(き)を つけて いるのに、あざが へりません。
毎月(まいつき)「原因不明(げんいんふめい)」と 書(か)いて います。

2 やって みて ください

体(からだ)の 場所(ばしょ)べつに 数(かぞ)えます。

「今月(こんげつ)8件」ではなく
すね 4/うで 3/こし 1

同(おな)じ ところに 出(で)るなら、当(あ)たって いる 物(もの)が あります。

3 あざの 高(たか)さで、部屋(へや)を 見(み)ます

すね …… 車(くるま)いすの 足(あし)を のせる ところ/ベッドの さく/テーブルの あし
うでの 内側(うちがわ) …… つかんだ 手(て)
こし・おしり …… 移乗(いじょう)の とき

人(ひと)では なく、物(もの)から さがします。

4 体(からだ)が 変(か)わって いる ことも あります

介助(かいじょ)を 変(か)えて いないのに、あざが ふえた とき。
 ——くすりが 変わって いませんか。
 ——皮膚(ひふ)が うすく なって いませんか。

◎ 看護師(かんごし)に つたえて ください。
同じ 力(ちから)で ささえても、あざに なります」——これで いいです。

5 だいじな こと

「見(み)つけた」と「ぶつけた」を 分(わ)けて 書(か)いて ください。
 見て いないのに「ぶつけた」と 書くと、それは 想像(そうぞう)です。

◎ 書くのは 場所・大(おお)きさ・色(いろ)・形(かたち)・痛(いた)みが あるか・見つけた 時間(じかん)です。

※ この ページは 答(こた)えを 出(だ)す ための ものでは ありません。たしかめる 順番(じゅんばん)を つくる ための ものです。あなたの 事業所(じぎょうしょ)の きまりも、かならず 見(み)て ください。

ボディマップと集計表を配っています

部位べつに数える形にしています。いずれも一例です。事業所に合わせて書き換えてお使いください。登録は要りません。

様式をダウンロード → 困りごとから調べる

この記事の使い方

  • ①から順に見てください。①用具と③環境は、今日変えられます
  • 当てはまったものを、全部書き出してください。1つに絞るのは、そのあとです
  • 変えるのは1つか2つだけ
  • 確かめて「当たらなかった」方向も、記録に残してください
この記事について 一般的な情報提供を目的としています。ここに挙げた「あざの場所と当たる物」の対応は、可能性であって断定ではありません。確かめる順番を作るためのものです。 皮膚や内出血の医学的な評価、薬の影響の判断は、医師・看護師・薬剤師が行います。 虐待が疑われる場合の判断は、市町村が行います。ここに書いたのは、気づいて報告し、記録に残すまでの範囲です。 実際の対応は、所属事業所の規程および、医師・看護師の指示に従ってください。