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この人は、何をする人か

介護職は、何をする人か

まず、これだけ

「介護福祉士」と「介護職員」は、同じではありません。介護福祉士は国家資格で、法律に定義があります。介護職員は、職場での呼び名です。

そして、法律にある介護福祉士の定義には、思ったより広いことが書かれています。介護をすることだけでなく、ご本人とその介護者に、介護に関する指導を行うことまで入っています。

できないこともはっきりしています。医療にあたることは、原則できません。その線は、看護師の側の法律で引かれています。

やさしい日本語で読むくわしく読む

最終更新:2026年9月 / 高齢者支援実務研究所

もくじ

  1. ひとことで言うと
  2. 「介護福祉士」と「介護職員」の違い
  3. 法律にある定義
  4. できること ― 喀痰吸引と経管栄養
  5. できないこと ― 線はどこにあるか
  6. 条文が決めていないところ
  7. この人に頼めること/頼めないこと
  8. まとめ

ひとことで言うと

日常生活に支障がある方に、心身の状況に応じた介護を行い、あわせて ご本人と介護する方に指導を行う人です。

「指導」まで入っているのは、意外に知られていません。ご家族に介助のしかたを伝えるのも、資格の中身に入っています。

「介護福祉士」と「介護職員」の違い

呼び名中身
介護福祉士国家資格。登録を受けて、その名称を使って働く人。法律に定義があります
介護職員・介護士職場での呼び名です。資格の有無は人によって違います

だから「介護職」と言われたとき、その人が介護福祉士かどうかは分かりません。持っている資格によって、できることが変わります。とくに次の§4は、資格や研修によって変わるところです。

必要な資格は、サービスの種類によっても違います。たとえば訪問介護のサービス提供責任者は、「介護福祉士その他厚生労働大臣が定める者」でなければならない、と決まっています(省令37号第5条第4項)。 ⚠ ご自分の事業所で何が求められているかは、事業所に確かめてください。

法律にある定義

社会福祉士及び介護福祉士法(昭和62年法律第30号)第2条第2項

「…介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき 心身の状況に応じた介護喀痰吸引等を含む。)を行い、 並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とする者をいう」

読みどころが3つあります。

できること ― 喀痰吸引と経管栄養

研修を受けた介護福祉士は、条件つきで喀痰吸引と経管栄養ができます。

同じ法律 第48条の2第1項

「介護福祉士は、保健師助産師看護師法第三十一条第一項及び第三十二条の規定にかかわらず診療の補助として喀痰吸引等を行うことを業とすることができる」

「医療行為ではない」とは書かれていません。診療の補助としてできる」と書かれています。 ◎ つまり、医療の枠の中に入れてもらった、という形です。  くわしくは、こちら

誰でもできるわけではありません。研修の課程を修了していること、事業所が登録を受けていること、 医師の指示の下で行われること——条件がそろって、はじめてできます。

できないこと ― 線はどこにあるか

介護職の「できない」は、介護の法律ではなく、看護師の法律の側から引かれています。

保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)第5条——看護師の仕事は2つです。

①「療養上の世話」 ②「診療の補助」

このうち②には、医師の指示が要ります(同法第37条)。喀痰吸引が「診療の補助」として書かれているのは、そのためです。

この2つを区別した条文は、法律のどこにもありません。だから、現場で迷うことが起きます。迷ったときは、看護師に聞くのが確実です。  なぜ「医師の指示がないとできない」と言うのか

条文が決めていないところ

資格の中身は法律にありますが、事業所での役割分担は、事業所が決めています。

誰に、どの順番で報告するか。ご家族からの相談を、どこまで受けるか。夜勤で何をどこまで判断するか。 ⚠ これらは事業所ごとに違います。「前の職場ではこうだった」が通じないのは、このためです。

あなたの事業所のやり方は、運営規程に書かれています。運営規程には 「従業者の職種、員数及び職務の内容」を書くことになっています(特養=省令39号第23条第2号/訪問介護=省令37号第29条第2号)。 その概要は掲示されているか、ウェブサイトに載っています(省令39号第29条/省令37号第32条)。

この人に頼めること/頼めないこと

〇 頼めること

食事・入浴・排せつ・移乗などの介助
その方に合わせたやり方の工夫
ご家族への、介助のしかたの説明
日々の様子の観察と、記録
研修を受けた人なら、条件つきで喀痰吸引・経管栄養

✕ 頼めないこと

薬の内容や中止・再開の判断
飲み込みの評価、傷の処置の判断
受診が必要かどうかの判断

ただし「気づいて伝える」ことは、介護職にしかできません。 「いつもと違う」は、いちばん近くにいる人にしか書けません

まとめ

やさしい 日本語(にほんご)

1 ◎ 介護福祉士(かいご ふくしし)介護職員(かいご しょくいん)は ちがいます

介護福祉士 = 国(くに)の しかくです。しけんが あります。
介護職員・介護士 = しごとばでの よびかたです。しかくが ある 人も、ない 人も います。

2 ◎ 法律(ほうりつ)に 書(か)いて ある こと

① その人(ひと)に あわせた 介護(かいご)を する
② ◎ その人と、その人を 介護する 人に、やりかたを 教(おし)える

ご家族(かぞく)に 教える ことも、しごとの 中(なか)に 入(はい)って います。

3 ◎ できる こと

4 ⚠ できない こと

でも——「いつもと ちがう」と 気(き)が つく こと。
 ⚠ これは、いちばん そばに いる あなたに しか できません。
 ◎ 気が ついたら、かならず 言(い)って ください。

5 ⚠ しごとの わけかたは、しごとばに よって ちがいます

だれに 言うか。ご家族の そうだんを どこまで きくか。
これは、法律では なく、しごとばが きめて います。

「運営規程(うんえい きてい)」という 紙(かみ)に 書(か)いて あります。
 ◎ かべに はって あります。ホームページに ある ことも あります。
 ◎ 「前(まえ)の しごとばと ちがう」のは、あたりまえ です。

※ この ページは 一般(いっぱん)の せつめいです。しごとの わけかたは、事業所(じぎょうしょ)に よって ちがいます。かならず あなたの 事業所(じぎょうしょ)で たしかめて ください。

様式を配っています

ヒヤリハット・ボディマップ・月の集計表など。いずれも一例です。事業所に合わせて書き換えてお使いください。登録は要りません。

様式をダウンロード → 困りごとから調べる

根拠にした資料

  • 社会福祉士及び介護福祉士法(昭和62年法律第30号)第2条第2項(介護福祉士の定義)、第48条の2第1項(喀痰吸引等)
  • 保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)第5条(看護師の定義)、第37条(医師の指示)
  • 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)第5条第4項(サービス提供責任者)、第29条第2号(運営規程)、第32条(掲示)
  • 指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第39号)第23条第2号(運営規程)、第29条(掲示)
この記事について 一般的な情報提供を目的としています。 必要な資格・研修は、サービスの種類と事業所によって異なります。ここに書いたことが、そのまま当てはまるとは限りません。 喀痰吸引等を行うには、研修課程の修了、事業者の登録、医師の指示など複数の条件が必要です。できるかどうかの判断は、事業所と医師・看護師に確認してください。 事業所内の役割分担は、運営規程によって定められます。 制度・条番号は改正されることがあります。 実際の対応は、所属事業所の規程および、医師・看護師の指示に従ってください。