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どこから考えるか

ヒヤリハットが出てこないとき、どこから考えるか

まず、これだけ

今月のヒヤリハットは0件。あるいは2件。⚠ 0件は「安全だった」という意味ではありません。出てきていないだけです。

書けない理由は、だいたい7つに分かれます。そのうちいちばん大きいのは「書くと怒られると思っている」ことです。⚠ ここが残っているかぎり、様式をどれだけ簡単にしても増えません。

様式を変える前に、返し方を変えてください。出した人に、何かが返ってくるか。それだけで数は変わります。

やさしい日本語で読むくわしく読む

最終更新:2026年9月 / 高齢者支援実務研究所

もくじ

  1. 0件は、いちばん危ない数字です
  2. 5つの方向に分けて確かめる
  3. ① 用具・様式 — 書くものの形
  4. ② 出す人 — 誰が書いていないか
  5. ③ 環境 — いつ、どこで書くか
  6. ④ 手順 — 出したあと、どうなるか
  7. ⑤ 体制・空気 — 怒られると思っていませんか
  8. 確かめたことを、記録に残す
  9. まとめ

0件は、いちばん危ない数字です

ヒヤリハットが0件のとき、二つのうちどちらかです。⚠ 本当に何も起きていないか、起きたのに出てきていないか。前者は、まずありません。

事故は、いきなり起きません。同じことが何度か「あぶなかった」で終わって、そのうちの1回が事故になります。ヒヤリハットが出てこないということは、その手前が見えないということです。

そして、出てこない事業所ほど「うちは事故が少ない」と言います。数えていないだけです。  0件の職場は、いちばん危ない

まず、書けない理由を7つに分けてください。ここを分けずに「報告を出そう」と言っても動きません。

書けない理由その人の中では、こうなっています
① 怒られると思ういちばん大きい理由です。出したら自分の落ち度になる、と思っています
② 迷惑がかかると思う「他の人の名前を出すことになる」「夜勤の人が責められる」
③ 何を書くのか分からない事故とヒヤリハットの線が、その人の中にありません
④ 時間がない書く場所が、勤務のどこにもありません
⑤ 書いても何も変わらない前に出したのに、何も返ってこなかった
⑥ 書き方が難しいとくに、日本語が母語でない職員。項目が多い、漢字が多い
⑦ 自分だけだと思う他の人が出していないので、自分だけ出すのが目立ちます

①⑤⑦は「返し方」の問題です。③④⑥は「様式と時間」の問題です。順番は、返し方が先です。

※ 7つの理由そのものと、施設が変えることは 職員がヒヤリハットを書かない7つの理由 に書いています。 この記事は、そのうち自分の事業所がどれに当たるかを確かめるためのものです。

5つの方向に分けて確かめる

方向ヒヤリハットでは、とくにここ
① 用具・様式紙の形・項目の数・置き場所。今日変えられます
② 出す人誰が出していないか。職種・経験年数・国籍で偏っていませんか
③ 環境いつ書きますか。勤務の中に、書く時間がありますか
④ 手順出したあと、どうなりますか。ここがこの記事の中心です
⑤ 体制・空気怒られると思っていませんか。思っていたら、他は全部効きません

① 用具・様式 — 書くものの形

1用具・様式

ここは今日変えられます。ただし、これだけでは増えません。

当てはまったら →「いつ・どこで・何があった」の3行だけの紙にしてください。原因も対策も、集める人が後で足します。  3行で書くヒヤリハット

② 出す人 — 誰が書いていないか

2出す人

「全体で少ない」ではなく、「誰が出していないか」を見ます。

当てはまったら →出していない層に、直接ひとつ聞いてください。「書きにくいところ、どこですか」。責める形にしないでください。

③ 環境 — いつ、どこで書くか

3環境

「あとで書く」は、書かないという意味です。

当てはまったら →申し送りの最後に2分、「ひやっとしたこと」を口で言う時間を作ってください。聞いた人が3行で書きます。物も人も増やさずにできます。

④ 手順 — 出したあと、どうなるか

4手順

ここが中心です。出したあとに何が返るかで、次の月の件数が決まります。

当てはまったら →いちばん効くのは「出してくれてありがとう、これはこう変えます」を、その週に返すことです。1件でも変わった例を作ってください。それが全部です。

⑤ 体制・空気 — 怒られると思っていませんか

5体制・空気

ここが残っているかぎり、様式も時間も効きません。

当てはまったら →これは現場だけでは変えられません。管理者が、まず自分の1件を出してください。それがいちばん早いです。  なぜ管理者は記録を求めるのか

確かめたことを、記録に残す

件数だけを追わないでください。記録に残すのは「誰から出ていないか」と「返すのに何日かかったか」の2つです。⚠ この2つが動けば、件数はあとからついてきます。

変えるのは、1つか2つだけ

✕ こう書くと動かない

「ヒヤリハットの提出を徹底する」
「意識づけを行う」
「月10件を目標とする」

出しにくい理由に、何もしていません。数の目標だけを立てると、中身のない紙が増えます。

〇 こう書くと動く

「様式を3行にした(〇月〇日から)」
「申し送りの最後に2分、口で言う時間を作った(〇月〇日から)」
「出た件は、その週の申し送りで個人名を出さずに返すことにした」

形と期日があります。

まとめ

やさしい 日本語(にほんご)

1 なにが おきますか

「ヒヤリハット」が、ぜんぜん 出(で)て きません。
今月(こんげつ)は 0件(けん)です。

2 0件は、いい ことですか

いいえ。あぶない しるしです。
 なにも おきなかったのでは なくて、出(だ)して いないだけ です。

3 なぜ 書(か)けないのですか

りゆうは 7つ あります。

4 ◎ 3行(ぎょう)で いいです

いつ / どこで / なにが あった
これだけ です。
「げんいん」「たいさく」は、書(か)かなくて いいです。あつめる 人が あとで 書きます。

5 ⚠ おこられる ためでは ありません

ヒヤリハットは、つぎの 事故(じこ)を ふせぐ ために あつめます。
あなたを わるく 言(い)う ための ものでは ありません。

名前(なまえ)を 書かなくても いい 事業所(じぎょうしょ)も あります。
 わからない ときは、リーダーに 「名前は 書きますか」と 聞(き)いて ください。

6 日本語(にほんご)が むずかしい とき

口(くち)で 言(い)っても いいです。
 「きょう、〇〇さんが、おふろの 前(まえ)で すべりそうに なりました」
 これで じゅうぶん です。聞(き)いた 人が 書きます。

※ この ページは 答(こた)えを 出(だ)す ための ものでは ありません。たしかめる 順番(じゅんばん)を つくる ための ものです。出(だ)しかたの きまりは、事業所(じぎょうしょ)に よって ちがいます。リーダーに 聞(き)いて ください。

3行のヒヤリハット様式を配っています

いつ・どこで・何があった、だけの形にしています。いずれも一例です。事業所に合わせて書き換えてお使いください。登録は要りません。

様式をダウンロード → 困りごとから調べる

この記事の使い方

  • まず、この3か月に誰が何件出したかを数えてください
  • ⑤の空気から確かめます。ここが残っていると、他が効きません
  • 返し方を変えてから、様式を変えてください。順番が逆だと動きません
  • 確かめて「当たらなかった」ところも、記録に残してください
この記事について 一般的な情報提供を目的としています。ここに挙げた質問は、原因を特定するためのものではありません。確かめる順番を作るためのものです。 ヒヤリハットの様式・提出の決まり・報告の基準は、事業所と保険者によって異なります。無記名にできるかどうかも、事業所の規程によります。 事故として報告すべきものの範囲は、市町村が定めています。ヒヤリハットとして扱ってよいかどうか迷うものは、管理者に確認してください。 実際の対応は、所属事業所の規程に従ってください。