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ヒヤリハット

職員がヒヤリハットを書かない7つの理由

「意識が低いから書かない」のではありません。

書けない理由が、必ずあります。7つあります。

そして、どれも施設の側で変えられることです。

最終更新:2026年8月 / 高齢者支援実務研究所

もくじ

  1. 7つの理由と、施設が変えること
  2. 日本語の問題ではありません
  3. いちばん効くのは、①と⑤です
  4. 「結果を返す」の、具体的なやり方
  5. カンファレンスで、言ってよい言葉/いけない言葉
  6. 様式のほうを、軽くする
  7. まとめ

7つの理由と、施設が変えること

書けない理由施設が変えること
① 怒られると思っている
これがいちばん大きい
出した人に、まず「ありがとう」と言う/「なんで」と聞かない。「どこで」「何が」だけ聞く/個人名を、カンファレンスで出さない/人事評価に使わない、とはっきり言う
② 時間がない 3行で終わる様式にする/詰所に用紙と箱を置く(探させない)/清書させない。その場のメモでよい/勤務時間内に書けるようにする
③ 書き方が分からない 記入例を、用紙のとなりに貼る/丸をつけるだけの様式を用意する/「こう書けばいい」を、実物で見せる
④ 自分のミスだと思われたくない 「気づいたことを書く紙」と呼ぶ(「事故報告書」と同じ扱いにしない)/ミスでないものも書いてよいと伝える(床が濡れていた、など)/無記名でも受け付けることを検討する
⑤ 出しても何も変わらない
2番目に大きい
出した人に、結果を返す/「これは、こう変えました」と掲示する/1件でも実際に変える。変わった実感がないと、次は出ません
⑥ 日本語で書けない 丸をつけるだけの様式を用意する/ひらがな・カタカナでよいと伝える。漢字は不要/短くていい。文章になっていなくてよい/口で言ってもらって、日本人職員が書く——これでも構いません/母語で書いてもらい、あとで訳す方法もあります
⑦ 前に出したとき、責められた
一度これをやると、二度と出しません
「前も言ったよね」を言わない/出した人を、名指しで振り返らない/過去にそうしてしまった心当たりがあれば、チームで謝る。それで戻ることがあります

日本語の問題ではありません

「怒られるかもしれない」「自分のせいにされるかもしれない」

これは、日本語を母語とする職員が書かない理由と、まったく同じです。

そこに日本語の負担が上乗せされているだけです。 日本語の壁を下げれば書く、というものではありません。まず①と⑦を直してください。

Nhân viên nước ngoài không viết KHÔNG phải vì tiếng Nhật. Là vì sợ bị mắng — giống hệt nhân viên Nhật.

言葉の負担を下げる工夫は 外国人職員がヒヤリハットを書かないのは、日本語力の問題ではない にもまとめてあります。

いちばん効くのは、①と⑤です

① 出した人に、まず「ありがとう」と言う。
⑤ 出した結果を、必ず返す。

この2つだけで、件数は変わります。用紙の様式を直すのは、そのあとで間に合います。

「結果を返す」の、具体的なやり方

カンファレンスで、言ってよい言葉/いけない言葉

✕ 言ってはいけない

「なんで確認しなかったの」
「〇〇って習ったよね」
「誰がやったの?」
「今月も出てる。どうなってるの」
「これは基本でしょう」
「前も言ったよね」

〇 言ってほしい

「すぐ言ってくれて、ありがとう」
「早く言ってくれたから、対応できました」
「その場面、何が起きていますか」
「直前に気づいたのも出してください」
「これは仕組みの問題ですね」

様式のほうを、軽くする

「原因」と「対策」の欄が大きい様式は、書く人に原因分析を求めています。それは負担です。

ヒヤリハットは3行で足ります。原因も対策も、書かなくてかまいません。 書き方は ヒヤリハットは3行でいい をご覧ください。 3行版と、丸をつけるだけの版様式のダウンロード から印刷できます。

まとめ

この方は、どこに気をつける?

利用者さんの状態を選ぶと、注意する場面と部位が出ます。印刷して、カンファレンスの資料に使えます。

困りごとから調べる → 様式をダウンロード

根拠にした資料

個人の経験ではなく、公表されている資料をもとに整理しています。
  • 厚生労働省「介護保険施設等における事故の発生又はその再発を防止するための指針」に関する基準・通知
  • 厚生労働省「介護保険施設等における事故報告様式の統一化について」(令和3年3月19日 老高発0319第1号ほか)
  • 厚生労働省 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(高齢者虐待防止法)に関する案内
  • 厚生労働省 労働安全衛生法に基づく事業場におけるメンタルヘルス対策・産業保健に関する指針
  • 公益財団法人日本医療機能評価機構 医療事故情報収集等事業(ヒヤリ・ハット事例収集)
この記事について 一般的な情報提供を目的としています。医療・介護の判断を代替するものではありません。 施設によって、利用者さんによって、正しいやり方は変わります。ここに書いたことが、そのまま当てはまるとは限りません。 手順・寸法・時間は、すべて目安一例です。 判断に迷うこと、いつもと違うと感じたことは、看護師・医師にご相談ください。 実際の対応は、所属施設の規程および、医師・看護師の指示に従ってください。制度・基準は改正されることがあります。
ベトナム語 参考訳です。母語話者による確認は受けていません。誤りにお気づきの方はご連絡ください。