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誤嚥

きざみ食は、安全とは限らない

「食べにくそうだから、刻みましょうか」

よくある言葉ですが、きざみ食は「安全な食事」ではありません。

細かく刻んだ食べ物は、口の中でまとまらずバラバラに散らばり、 飲み込む準備ができないまま のどに落ちます。

最終更新:2026年8月 / 高齢者支援実務研究所

もくじ

  1. なぜ、きざみ食が危ないことがあるのか
  2. 詰まりやすい食べ物
  3. 「食べにくそう」と思ったら、どう伝えるか
  4. 食べ方のくせべつに、今日できること
  5. 一口の量とペース
  6. 介護職ができること・できないこと
  7. 数えると、変更の根拠になります
  8. まとめ

なぜ、きざみ食が危ないことがあるのか

食べ物を飲み込むには、口の中でひとかたまり(食塊)にまとめる必要があります。

きざみ食は、かむ手間を減らすための形です。かむ力が弱い方には向いています。 けれど、まとめる力・飲み込む力まで弱い方には、逆に難しくなります。

かむ力は弱いが、飲み込む力も弱い。

この方には、きざみ食よりソフト食・ミキサー食+とろみのほうが安全なことが多くあります。

食形態の決定は、医師・歯科医師・言語聴覚士・管理栄養士が行います。 介護職が「食べにくそうだから刻もう」と判断してはいけません。
気づいたことを報告するのが、介護職の役割です。

詰まりやすい食べ物

種類なぜ
もち正月のもち、だんご窒息の原因として最も多いもの。行事のときは特に注意
水のようにサラサラのもの水、お茶、みそ汁、ジュース速すぎて、のどが追いつきません。実は水がいちばん危ない
パサパサのものパン、カステラ、ゆで卵、いも、そぼろ口の中でまとまらず、バラバラに落ちる
かたまりのもの大きな肉、ミニトマト、ぶどう、こんにゃく丸ごと詰まる。小さく切る
はりつくもののり、わかめ、レタス、薄い葉物のどや上あごに はりつく
酸っぱいもの酢の物、かんきつ類刺激でむせやすい
口の中でばらけるものきざみ食、ひき肉、かたい野菜きざみ食は安全ではありません

「水がいちばん危ない」は、意外に思われます。 水はのどを速く流れるので、飲み込む動きが間に合いません。だからとろみをつけます (→ とろみの濃さが職員でバラバラなのは、それ自体が事故要因)。

「食べにくそう」と思ったら、どう伝えるか

刻むかどうかを決めるのは介護職ではありません。けれど、気づいたことを具体的に伝えることはできます。

伝えるとよいこと

□ どの食品でむせるか(水分か/固形物か/特定のもの)
□ 口の中に残るか(ほお・舌の下・上あご)
□ 食事にかかる時間(前は何分、いまは何分)
□ 食後の声(ゴロゴロしていないか)
□ 残す量が増えたか
□ 体重の変化

「食べにくそうです」だけでは、判断のしようがありません。どこで、どう困っているかまで書くと、変更につながります。

食べ方のくせべつに、今日できること

くせ今日できること(一例)
かき込むお皿を1つずつ出す。スプーンを小さくする
口にため込む声かけ「ごっくんしましょう」
丸のみ食形態の見直しを相談する
途中で眠くなるそこでやめる(→ 傾眠だけれど口を開ける方への食事介助

一口の量とペース

Đợi thấy yết hầu chuyển động lên xuống rồi mới đút miếng tiếp theo.

介護職ができること・できないこと

〇 できること

食事の介助(決められた食形態で)/姿勢を整える/決められた濃さでとろみをつける/口腔ケア/むせ・様子の観察と記録・報告/背部叩打法・腹部突き上げ法/119番・心肺蘇生・AED/研修を受け認定された場合のみ:吸引

✕ できないこと

食形態を変える判断(刻む・ミキサーにかける)/とろみの濃さを自分で変える/飲み込みの検査・評価/研修を受けていない吸引/経管栄養の実施/「食べられそうだから」と食事を戻す判断/薬を粉にする判断

数えると、変更の根拠になります

むせの回数を食形態べつに数えてください。「この食形態にしてから、むせが増えた/減った」が見えます。

1回のむせは事故ではありません。でも、書かないと誰も気づけません。 集計表は 様式のダウンロード から印刷して使えます。

まとめ

この方は、どこに気をつける?

利用者さんの状態を選ぶと、注意する場面と部位が出ます。印刷して、カンファレンスの資料に使えます。

困りごとから調べる → 様式をダウンロード

根拠にした資料

個人の経験ではなく、公表されている資料をもとに整理しています。
  • 厚生労働省「介護保険施設等における事故の発生又はその再発を防止するための指針」に関する基準・通知
  • 厚生労働省「社会福祉士及び介護福祉士法」に基づく喀痰吸引等研修および認定特定行為業務従事者の制度
  • 厚生労働省「介護保険施設等における事故報告様式の統一化について」(令和3年3月19日 老高発0319第1号ほか)
  • 消費者庁 高齢者の窒息事故に関する注意喚起(もち等による窒息)
  • 日本摂食嚥下リハビリテーション学会 嚥下調整食分類・とろみの段階に関する一般向け資料
  • 日本蘇生協議会(JRC)蘇生ガイドライン 気道異物除去・一次救命処置
この記事について 一般的な情報提供を目的としています。医療・介護の判断を代替するものではありません。 施設によって、利用者さんによって、正しいやり方は変わります。ここに書いたことが、そのまま当てはまるとは限りません。 手順・寸法・時間は、すべて目安一例です。 判断に迷うこと、いつもと違うと感じたことは、看護師・医師にご相談ください。 実際の対応は、所属施設の規程および、医師・看護師の指示に従ってください。制度・基準は改正されることがあります。
ベトナム語 参考訳です。母語話者による確認は受けていません。誤りにお気づきの方はご連絡ください。