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誤嚥

傾眠だけれど口を開ける方への食事介助

目は開いていない。呼んでも返事がはっきりしない。
でも、スプーンを口元に持っていくと、口を開ける。

この方が、いちばん危ないタイプです。

口を開けるのは、反射です。食べる準備ができている、という意味ではありません。

最終更新:2026年8月 / 高齢者支援実務研究所

もくじ

  1. 口が開く ≠ 飲み込める
  2. 原則は、ひとつです
  3. 起こす工夫
  4. それでも食べていただくときの、確認のしかた
  5. 記録に必ず書くこと
  6. なぜ傾眠なのか、を看護師に伝える
  7. 介護度と、誤嚥のリスクは比例しません
  8. まとめ

口が開く ≠ 飲み込める

「開口したから食べられる」は、いちばん危険な思い込みです。

開口は反射であって、飲み込める証拠ではありません。

傾眠のまま食べさせ続けると、誤嚥性肺炎をくり返し、そのたびに弱っていきます。 そして原因は「年だから」とされてしまいます。

Mở miệng chỉ là phản xạ — KHÔNG có nghĩa là nuốt được. Nếu chưa tỉnh táo, đừng cho ăn.

原則は、ひとつです

目を開けて、はっきり返事があるまで、食べさせない。

「時間だから」で始めない。これがいちばん多い事故のきっかけです。 覚醒していない日は、食べさせない。それは手抜きではなく、正しい判断です。

起こす工夫

起こしてから15分以上あけてください。起きた直後は、まだ反射が戻っていません。
それでも覚醒しないなら、食べさせない。時間をずらす/看護師に相談する。

それでも食べていただくときの、確認のしかた

覚醒が確認できて食事を始めたあとも、1回ごとに確かめます。

記録に必ず書くこと

項目書き方(一例)
覚醒状態「開眼あり・返事あり」/「開眼なし・開口のみ
起こすために何をしたか「氏名を呼ぶ、おしぼりで顔を拭く、車いすへ移乗」
何分待ったか「20分待つも覚醒せず」
摂取量「主食2割/副食0」
途中でやめた理由覚醒不良のため中止、看護師〇〇へ報告

「覚醒不良のため中止」と書くことに、ためらいが要らない職場にしてください。 書けないと、次の人がまた同じ状況で食べさせてしまいます。

なぜ傾眠なのか、を看護師に伝える

傾眠には理由があります。介護職が判断することではありませんが、気づいたことを伝えることはできます。

見ておくとよいことなぜ
睡眠薬・向精神薬の内服時刻効いている時間に食事が重なっていないか
夜間の睡眠眠れていないぶん、日中に眠くなっていないか
前日と比べてどうか急に傾眠が強くなったのは、体調変化のサインかもしれません
熱・脱水ぼんやりする原因になります
食事の時間帯いつも同じ時間だけ眠いなら、時間をずらせないか

介護度と、誤嚥のリスクは比例しません

要介護5で全介助の方には、職員がついています。だから、何かあればすぐ気づけます。

危ないのは、要介護3〜4で「自分で食べられる」とされている方です。 職員は別の方の介助についていて、誰も見ていません。

そして、もうひとつ危ないのが、この記事の「傾眠だけれど、口に入れると開ける」方です。

自分で食べる方には、食事の後半に一度、そばに行って見てください。 前半は問題なくても、疲れてくる後半に事故が起きます。 食事時間が延びていないかを記録するのが、最初のサインになります。

まとめ

この方は、どこに気をつける?

利用者さんの状態を選ぶと、注意する場面と部位が出ます。印刷して、カンファレンスの資料に使えます。

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根拠にした資料

個人の経験ではなく、公表されている資料をもとに整理しています。
  • 厚生労働省「介護保険施設等における事故の発生又はその再発を防止するための指針」に関する基準・通知
  • 厚生労働省「社会福祉士及び介護福祉士法」に基づく喀痰吸引等研修および認定特定行為業務従事者の制度
  • 厚生労働省「介護保険施設等における事故報告様式の統一化について」(令和3年3月19日 老高発0319第1号ほか)
  • 消費者庁 高齢者の窒息事故に関する注意喚起(もち等による窒息)
  • 日本摂食嚥下リハビリテーション学会 嚥下調整食分類・とろみの段階に関する一般向け資料
  • 日本蘇生協議会(JRC)蘇生ガイドライン 気道異物除去・一次救命処置
この記事について 一般的な情報提供を目的としています。医療・介護の判断を代替するものではありません。 施設によって、利用者さんによって、正しいやり方は変わります。ここに書いたことが、そのまま当てはまるとは限りません。 手順・寸法・時間は、すべて目安一例です。 判断に迷うこと、いつもと違うと感じたことは、看護師・医師にご相談ください。 実際の対応は、所属施設の規程および、医師・看護師の指示に従ってください。制度・基準は改正されることがあります。
ベトナム語 参考訳です。母語話者による確認は受けていません。誤りにお気づきの方はご連絡ください。