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誤嚥

咳ができるか、できないか — 対応は正反対

「むせる=危ない」ではありません。むせるのは、体が異物を出そうとしている正常な反応です。

本当に危ないのは、咳ができない状態(窒息)と、むせないのに入っている状態です。

最初に見るのは、たった1つ。「咳ができるか」。ここで対応が正反対に変わります。

最終更新:2026年8月 / 高齢者支援実務研究所

もくじ

  1. 最初に見るのは、1つだけ
  2. 咳ができているとき — 邪魔をしない
  3. 咳ができないとき — ひとりで抱えない
  4. 口の中に見えるものがあれば
  5. やってはいけないこと
  6. 吸引は、誰ができるか
  7. まとめ

最初に見るのは、1つだけ

食べさせるのをやめる →「咳ができるか」 ▼ ここで対応が正反対に変わります 咳ができている(むせ) 声が出る/咳の音がする/顔色は保たれている → 咳を続けてもらう(いちばん強い力です) 少し前かがみにする 背中を強く叩かない(軽くさするだけ) 水を飲ませない(さらに入ります) 落ち着くまで食事を止める/そばを離れない 落ち着いたら「あー」と声を出してもらう 咳ができない(窒息) 声が出ない/音がしない のどをつかむしぐさ(チョークサイン) 顔が赤紫になる/唇が紫 目を見開く/もがく/急に静かになった → 大声で応援を呼ぶ。119番。 → 同時に背部叩打法を始める
図:咳ができるかどうかで分かれる対応(一例)。実際の手順は施設の規程と研修に従ってください
Ho là phản xạ bình thường của cơ thể. Nguy hiểm nhất là khi KHÔNG ho được, hoặc sặc mà không ho.

咳ができているとき — 邪魔をしない

咳は、異物を出すいちばん強い力です。だから、じゃまをしないことが対応になります。

咳ができている人の背中を強く叩かないでください。奥に入ることがあります。 「背中を叩く」のは、咳ができないときの処置です。

咳ができないとき — ひとりで抱えない

まず、大声で応援を呼びます。ひとりで対処しながら人を呼ぶのは、ほぼ不可能です。

「手伝ってください」「〇〇さんが詰まらせました」。大きな声で。

Xin hãy giúp tôi! Ông/Bà 〇〇 bị hóc rồi!

背部叩打法(まずこれ)

やること
1その方を前かがみにする(立位でも座位でもよい)。横から支える
2左右の肩甲骨の間を、手のひらの付け根で強く叩く
35回、続けて。取れなければ腹部突き上げ法へ
4取れるか、意識がなくなるまで交互にくり返す

腹部突き上げ法(ハイムリック法)

やること
1後ろから両腕を回す。片手でこぶしを作り、親指側をへそのやや上に当てる
2もう一方の手でこぶしを包み、手前上方に、すばやく引き上げる
35回。背部叩打法と交互に

腹部突き上げ法をしてはいけない方
□ 意識がない方 □ 妊娠している方 □ 乳児 □ 高度に太っている方(この場合は胸部突き上げ法)

行ったあとは、取れても必ず受診してください。内臓を傷つけていることがあります。 行った事実を必ず記録に残します。

意識がなくなったら □ 床に寝かせる □ 119番(まだなら) □ 胸骨圧迫を開始 □ AEDを持ってくる
心肺蘇生の手順は、施設の研修で必ず実技を受けてください。読むだけでは身につきません。年1回は全員が実技を。

口の中に見えるものがあれば

見えるものだけ取り出します。指を奥に入れて探らないでください。かえって押し込みます。 入れ歯がずれていたら外します。

やってはいけないこと

□ 咳ができている人の背中を強く叩く(奥に入ることがあります)
□ 水を飲ませる
□ 指を奥まで入れて探る
掃除機で吸う(絶対にしないでください)
□ 「大丈夫そうだから」と食事を続ける
□ 資格のない職員が吸引器を使う

吸引は、誰ができるか

〇 できる人

看護職員/喀痰吸引等研修を修了し認定を受けた介護職員(かつ事業所が登録を受けていること)。
研修で認められた範囲(口の中/鼻の中/気管カニューレ内部)だけ。

✕ できない人

研修を受けていない介護職員/研修を受けていても認められていない部位。
「緊急だから」でもできません。掃除機を使うことは絶対にしてはいけません。

できることは、応援を呼ぶこと・背部叩打法・119番・心肺蘇生です。それで十分に役に立ちます。

自分が何をできるか、今日はっきりさせてください。研修を受けているか。認定されている部位はどこか。 分からなければリーダーに聞いてください。いざというときに迷う時間が、いちばん危険です。

Tôi có được phép hút đờm không ạ? Xin cho tôi biết phạm vi tôi được làm.

まとめ

この方は、どこに気をつける?

利用者さんの状態を選ぶと、注意する場面と部位が出ます。印刷して、カンファレンスの資料に使えます。

困りごとから調べる → 様式をダウンロード

根拠にした資料

個人の経験ではなく、公表されている資料をもとに整理しています。
  • 厚生労働省「介護保険施設等における事故の発生又はその再発を防止するための指針」に関する基準・通知
  • 厚生労働省「社会福祉士及び介護福祉士法」に基づく喀痰吸引等研修および認定特定行為業務従事者の制度
  • 厚生労働省「介護保険施設等における事故報告様式の統一化について」(令和3年3月19日 老高発0319第1号ほか)
  • 消費者庁 高齢者の窒息事故に関する注意喚起(もち等による窒息)
  • 日本摂食嚥下リハビリテーション学会 嚥下調整食分類・とろみの段階に関する一般向け資料
  • 日本蘇生協議会(JRC)蘇生ガイドライン 気道異物除去・一次救命処置
この記事について 一般的な情報提供を目的としています。医療・介護の判断を代替するものではありません。 施設によって、利用者さんによって、正しいやり方は変わります。ここに書いたことが、そのまま当てはまるとは限りません。 手順・寸法・時間は、すべて目安一例です。 判断に迷うこと、いつもと違うと感じたことは、看護師・医師にご相談ください。 実際の対応は、所属施設の規程および、医師・看護師の指示に従ってください。制度・基準は改正されることがあります。
ベトナム語 参考訳です。母語話者による確認は受けていません。誤りにお気づきの方はご連絡ください。