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誤嚥

とろみの濃さが職員でバラバラなのは、それ自体が事故要因

とろみは、水分がのどを速く流れすぎるのを抑えるためのものです。

けれど、職員によって濃さが違うと、その方ののどは毎回ちがうものに対応することになります。

これ自体が事故の原因です。濃すぎるとろみも危険です。

最終更新:2026年8月 / 高齢者支援実務研究所

もくじ

  1. なぜ水にとろみをつけるのか
  2. 濃すぎるとろみも、危険です
  3. 統一するための4つ
  4. 作るときに、間違えやすいこと
  5. 食事の前に、姿勢を整える
  6. 一口目は、とろみ水から
  7. 記録と、数えかた
  8. まとめ

なぜ水にとろみをつけるのか

水・お茶・みそ汁・ジュースのようなサラサラのものは、のどを速く流れます。 飲み込む動きが間に合わず、気管のほうへ入ってしまいます。

実は、水がいちばん危ないのです。

とろみは、そのスピードを落とすためのものです。

濃すぎるとろみも、危険です

✕ 薄すぎる

スピードが落ちきらず、のどが追いつきません。
とろみをつけた意味がありません。

✕ 濃すぎる

べたついて、のどに残ります。
残ったものが、あとから気管に入ることがあります。

「濃いほうが安全」ではありません。その方に決められた濃さが、いちばん安全です。

統一するための4つ

使うとろみ剤を1種類に決める(製品が違うと、同じ量でも濃さが変わります)
計量の道具を決める(計量スプーン・計量カップ。目分量にしない)
「薄い・中間・濃い」の見本を作って掲示する
その方の濃さを、記録と食札に書く

この4つがそろうと、誰が作っても同じ濃さになります。「なんとなく」で作らない仕組みにするということです。

作るときに、間違えやすいこと

よくあることどうするか
目分量でつけている計量スプーン・計量カップを使う
すぐ出してしまうとろみをつけたら2〜3分待つ。あとから濃くなります
ストローを使っているストローは使わない(速く入りすぎます)
ふつうのコップで飲んでいるふちの切れたコップにすると、上を向かずに飲めます
職員によって濃さが違う見本を掲示する。作った人の名前を書く運用にする
薬を水で飲ませているとろみ水で飲む(水よりも安全)

とろみの濃さを自分で変えることは、介護職はできません。 「今日はむせるから濃くしよう」と現場で判断しないでください。 むせたことを報告し、濃さを変えるかどうかは、医師・言語聴覚士・看護師・管理栄養士が決めます。

食事の前に、姿勢を整える

とろみをどれだけ丁寧に作っても、あごが上がっていれば、まっすぐ気管に落ちます。

一口目は、とろみ水から

食前に口とのどを湿らせておくと、飲み込みがスムーズになります。

記録と、数えかた

記録にはその方の濃さを書いてください。「とろみ付き」だけでは、次の人が同じものを作れません。

そして、むせの回数を食形態・とろみの濃さべつに数えます。 「濃さを変えてから、むせが減った」が数字で見えると、変更を続ける根拠になります。 集計表は 様式のダウンロード から使えます。

まとめ

この方は、どこに気をつける?

利用者さんの状態を選ぶと、注意する場面と部位が出ます。印刷して、カンファレンスの資料に使えます。

困りごとから調べる → 様式をダウンロード

根拠にした資料

個人の経験ではなく、公表されている資料をもとに整理しています。
  • 厚生労働省「介護保険施設等における事故の発生又はその再発を防止するための指針」に関する基準・通知
  • 厚生労働省「社会福祉士及び介護福祉士法」に基づく喀痰吸引等研修および認定特定行為業務従事者の制度
  • 厚生労働省「介護保険施設等における事故報告様式の統一化について」(令和3年3月19日 老高発0319第1号ほか)
  • 消費者庁 高齢者の窒息事故に関する注意喚起(もち等による窒息)
  • 日本摂食嚥下リハビリテーション学会 嚥下調整食分類・とろみの段階に関する一般向け資料
  • 日本蘇生協議会(JRC)蘇生ガイドライン 気道異物除去・一次救命処置
この記事について 一般的な情報提供を目的としています。医療・介護の判断を代替するものではありません。 施設によって、利用者さんによって、正しいやり方は変わります。ここに書いたことが、そのまま当てはまるとは限りません。 手順・寸法・時間は、すべて目安一例です。 判断に迷うこと、いつもと違うと感じたことは、看護師・医師にご相談ください。 実際の対応は、所属施設の規程および、医師・看護師の指示に従ってください。制度・基準は改正されることがあります。
ベトナム語 参考訳です。母語話者による確認は受けていません。誤りにお気づきの方はご連絡ください。