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入浴

溺れる人は暴れない — 音では気づけない

溺れる人は、暴れません。声も出しません。

映画のように水しぶきを上げてもがくことは、ほとんどありません。 すーっと沈んで、静かになります。

だから、音では気づけません。目で見ていないと気づけません。 これが、入浴の事故を考えるときの出発点です。

最終更新:2026年8月 / 高齢者支援実務研究所

もくじ

  1. 「目を離した」は、こう起こります
  2. この章でいちばん効く対策
  3. 浴槽に入っている間
  4. 「見きれない」は、体制の問題です
  5. 浴室のどこが、どれくらい重いか
  6. 洗い場と脱衣所で、今日できること
  7. 入浴を嫌がるとき
  8. まとめ

「目を離した」は、こう起こります

タオルを取りに行った。着替えを取りに行った。ほかの方に呼ばれた。

どれも1〜2分です。その1〜2分で起こります。

だから対策は「気をつける」ではありません。
「入る前に、必要なものを全部そろえる」という手順にすることです。

Người bị đuối nước thường không giãy giụa, không kêu la. Họ chìm xuống rất lặng lẽ.

この章でいちばん効く対策

必要な物を、入る前に全部そろえる。

□ タオル □ 着替え □ オムツ □ 保湿剤 □ ドライヤー □ 水分
□ 入る前にチェック表で確認する
「あとで取ってくる」を、なくす手順にする
□ 忘れたら、その場から動かずに人を呼ぶ
□ ナースコール・呼び出しブザーが浴室内にあるか

浴室の入口に持ち物チェック表を貼るだけで、大きく変わります。 紙1枚で、1〜2分の離席がなくなります。

浴槽に入っている間

入浴中に「目を離す」ことは、居眠り運転と同じです。 1秒でも目を離せば、そのあいだに沈みます。そして音はしません。

「見きれない」は、体制の問題です

もし目を離さざるを得ない状況(人手が足りない・同時に何人も見ている)があるなら、 それはあなたの注意力の問題ではなく、体制の問題です。

カンファレンスで言葉にしてください。言葉にしないと、変わりません。

順番と人数で、できることもあります。
□ 1人にかけられる時間を決める。詰め込まない
□ 見守りが必要な方を、職員が多い時間帯に
職員が1人になる時間帯に、見守りが必要な方を入れない
□ 感染症のある方は最後に(施設のルールを確認)

浴室のどこが、どれくらい重いか

場所起きること重さ
廊下・居室ここで体調を見る。中止するならここ脱いでからでは、止めにくい
脱衣所温度差=ヒートショック/濡れた足で立つ数分で命に関わります
洗い場転倒(石けん・ぬめり・マットのずれ・シャワーチェア)けがで済むことが多い。人がそばにいれば、減らせる場面です
浴槽・機械浴溺水/のぼせ/またぐときの転倒数分で命に関わります

転倒はけがで済むことがありますが、溺水とヒートショックは、そうはいきません。 ヒートショックについては ヒートショックを防ぐ7つのこと をご覧ください。

洗い場と脱衣所で、今日できること

場面今日できること
脱衣所での脱ぎ着座って脱ぎ着する(立ったままズボンを脱がせない)/いすのぐらつきを手で押して確認/床が濡れたらその場で拭く/すべり止めマットのめくれ/脱衣所でも、ひとりにしない
浴室への出入り段差にすべり止めテープ・色をつける/扉のレールでつまずかないか/裸足で濡れた床に出る瞬間がいちばん滑ります
洗い場の床石けんの泡をこまめに流す(床がいちばん滑るのは泡)/マットのずれを毎回見る/床のぬめり(月1回はブラシで)/ホース・シャワーヘッドを床に放置しない/排水口の詰まり
シャワーチェア4本の脚が床についているか、押して確認/高さが合っているか/ひじ掛けと背もたれがあるものを/角にカバー/座面のひび・ゴムのすり減り

浴室の扉が「内開き」の施設は、確認してください。 中で人が倒れると、体が引っかかって扉が開かなくなります。 外開きか引き戸に変えられないか、管理者に相談する価値があります。 これは、いざというときに数分を左右します。

入浴を嫌がるとき

無理に入れない。抵抗する中での介助は事故になります。
□ 理由を考える(寒い・怖い・恥ずかしい・体調・過去の経験)
□ 時間・担当者・順番を変えてみる
□ 清拭・足浴・手浴に切り替える
力ずくで脱がせる・湯をかけるのは虐待です
□ 断られたことを記録し、チームで共有する

まとめ

この方は、どこに気をつける?

利用者さんの状態を選ぶと、注意する場面と部位が出ます。印刷して、カンファレンスの資料に使えます。

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根拠にした資料

個人の経験ではなく、公表されている資料をもとに整理しています。
  • 厚生労働省「介護保険施設等における事故の発生又はその再発を防止するための指針」に関する基準・通知
  • 厚生労働省「介護保険施設等における事故報告様式の統一化について」(令和3年3月19日 老高発0319第1号ほか)
  • 消費者庁・独立行政法人国民生活センター 高齢者の入浴中の事故(溺水・熱中症様症状)に関する注意喚起
  • 厚生労働省「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について」(平成17年7月26日 医政発第0726005号)
  • 日本蘇生協議会(JRC)蘇生ガイドライン 一次救命処置・AEDの使用
この記事について 一般的な情報提供を目的としています。医療・介護の判断を代替するものではありません。 施設によって、利用者さんによって、正しいやり方は変わります。ここに書いたことが、そのまま当てはまるとは限りません。 手順・寸法・時間は、すべて目安一例です。 判断に迷うこと、いつもと違うと感じたことは、看護師・医師にご相談ください。 実際の対応は、所属施設の規程および、医師・看護師の指示に従ってください。制度・基準は改正されることがあります。
ベトナム語 参考訳です。母語話者による確認は受けていません。誤りにお気づきの方はご連絡ください。