入浴は、全身の皮ふを見られる最大の機会
背中。おしり。かかと。足の指の間。わきや、またの間。
ふだん服で隠れているところは、入浴のときしか見られません。
あなたが見つけなければ、誰も見つけません。「入浴のときに見つけた」は、いちばん価値のある報告です。
見るところ
| 見るところ | 何を見るか |
|---|---|
| 皮ふ全体 | あざ・内出血(ボディマップに記録)/傷/かぶれ/乾燥 |
| 背中・おしり・かかと | 赤み(褥瘡の始まり)。押しても赤みが消えなければ すぐ報告 |
| 足・足の指の間 | 水虫・傷・爪の変形・巻き爪。ふだん見えない場所です |
| わき・またの間・おなかのしわ | ただれ・においの変化・カビ |
| むくみ | 靴下のあと・指で押したへこみ |
| やせ・体格の変化 | 骨が出てきていないか。食事量と合わせて報告 |
見つけたら、その場で記録してください。
あとで書こうとすると、必ず忘れます。
あざを見つけたら
あざは、部位によって意味が変わります。すねのあざと、わき・上うでのあざでは、疑うことが違います。
- 大きさ(cm)・色・形を書く
- ボディマップに位置を記録する
- 新しいものか、前からあったものかを分ける
- 痛みがあるか、本人に聞く
- 看護師へ報告する
くわしい書き方は あざの記録の書き方、 探し方は 原因のわからないあざが増えるとき、まず見る5つのこと をご覧ください。 ボディマップは 様式のダウンロード から印刷できます。
爪切りは、意外と危ない行為です
介護職が切ってはいけない爪があります。
□ 糖尿病のある方の爪 □ 巻き爪 □ 厚くなった爪 □ 白癬(水虫)のある爪
小さな傷から感染し、足の切断につながることがあります。
迷ったら切らない。看護師に見てもらう。これで守れます。
介護職ができること・できないこと
入浴の介助・洗身・洗髪/バイタル測定(体温・血圧・脈・SpO2)/湯温の調整・環境の調整/皮ふの観察と、記録・報告/爪切り(健康な爪のみ/異常がなければ)/耳あかの除去(耳の入口の見える範囲のみ)/軟膏の塗布(褥瘡の処置を除く)・湿布/救命処置
入浴の可否の最終判断(中止基準を超えたとき)/褥瘡の処置・傷の消毒やガーゼ交換/糖尿病の方の爪切り・巻き爪・肥厚した爪/やけどの処置/点滴・カテーテル・ドレーン類の抜き差し/浣腸・摘便/研修を受けていない吸引
見つけて報告するのが、あなたの仕事です。処置をするのは看護師です。
出たあとの、皮ふのために
- 体をしっかり拭く(足の裏・指の間も)
- 浴後5分以内に保湿
- 洗うとき、皮ふはこすらない
- ベルトの金具・ストレッチャーのふちが当たっていないか(機械浴)
- シャワーチェアの角にカバーがあるか
機械浴・リフト浴では、動かす前に手足の位置を確認してください(挟み込み)。 上げ下げの前に必ず声をかける。顔が湯に近づいていないか(傾きに注意)。
記録の書き方
「入浴介助。皮ふトラブルなし。」
→ どこを見たのかが分かりません。次の人が比べられません。
「右下腿前面に3×2cmの青色内出血(新規、ボディマップに●)。仙骨部に発赤なし。左足第1趾の爪が肥厚。14:50 看護師〇〇へ報告。」
「なし」と書くときも、どこを見て「なし」なのかが分かるように書いてください。 「仙骨部に発赤なし」は、見た証拠になります。
まとめ
- 服で隠れているところは、入浴のときしか見られない
- 背中・おしり・かかとの赤み。押して消えなければすぐ報告
- 足の指の間・わき・またの間・おなかのしわ
- あざは大きさ・色・部位をボディマップに
- 糖尿病・巻き爪・肥厚した爪・水虫の爪は切らない
- 見つけて報告するまでが介護職。処置は看護師
- その場で記録する。あとで書くと忘れる
あわせて読む
根拠にした資料
- 厚生労働省「介護保険施設等における事故の発生又はその再発を防止するための指針」に関する基準・通知
- 厚生労働省「介護保険施設等における事故報告様式の統一化について」(令和3年3月19日 老高発0319第1号ほか)
- 消費者庁・独立行政法人国民生活センター 高齢者の入浴中の事故(溺水・熱中症様症状)に関する注意喚起
- 厚生労働省「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について」(平成17年7月26日 医政発第0726005号)
- 日本蘇生協議会(JRC)蘇生ガイドライン 一次救命処置・AEDの使用
ベトナム語 参考訳です。母語話者による確認は受けていません。誤りにお気づきの方はご連絡ください。