ホーム記事 > 入浴 > 中止基準
入浴

入浴の中止基準を、施設で決める

入浴を止めるなら、脱ぐ前です。脱いでからでは、止めにくくなります。

そして、「たぶん大丈夫」で入れないこと。 介護職が最終判断をするものではありません。迷ったら、看護師に判断してもらってください。

最終更新:2026年8月 / 高齢者支援実務研究所

もくじ

  1. 止めるなら、廊下・居室で
  2. 中止基準の表(施設で数値を決めて記入します)
  3. 迷ったときの原則
  4. 時間帯も、基準のうちです
  5. 記録に、この5つを必ず入れる
  6. 数えて、基準を見直す
  7. ご家族への報告
  8. まとめ

止めるなら、廊下・居室で

脱ぐ前にバイタルを測る。

脱いでからでは、止めにくくなります。

Nếu phân vân, hãy để y tá quyết định.

中止基準の表(施設で数値を決めて記入します)

項目中止する数値(施設で決める)
体温   ℃ 以上
収縮期血圧(上)   以上 /    以下
拡張期血圧(下)   以上
脈拍   以上 /    以下
酸素飽和度(SpO2)   % 以下
そのほか意識がいつもと違う/食欲がない/吐いた/息が苦しそう/強い痛み/皮ふの異常
本人の訴え「気分が悪い」「今日はやめたい」→ 尊重する

数値は施設で決めてください。ここに数字を書いていないのは、その方の状態によって違うからです。 ふだんの血圧が高い方に一律の基準を当てはめると、毎日中止になってしまいます。

個別の基準がある方は、記録の表紙に書いておいてください。

迷ったときの原則

「中止して何もなかった」は、失敗ではありません。 基準が働いた、ということです。そこを責める職場だと、次から「たぶん大丈夫」が増えます。

時間帯も、基準のうちです

記録に、この5つを必ず入れる

入浴前のバイタル □ 入浴後のバイタル □ 湯温 □ 浴槽に入っていた時間 □ 皮ふの所見

これがそろうと、「この方は入浴後に血圧が20下がる」といった、その人のパターンが見えます。 パターンが分かれば、個別の中止基準と個別の入り方が作れます。

✕ よくない記録

「入浴介助。特変なし。全身清潔保持。」
→ バイタルも湯温も時間もありません。中止基準が妥当かどうか、永久に検証できません。 「特変なし」は、何も見ていないのと同じです。

〇 よい記録

「14:00 入浴前 BP142/80、脈76、体温36.4、SpO2 97%。湯温40.5℃。14:18〜14:26 浴槽(8分、みぞおちまで)。右下腿前面に3×2cmの青色内出血あり(新規)。14:40 入浴後 BP118/68、脈84。立位でふらつきあり、5分座位で休息し軽快。14:50 看護師〇〇へ報告。次回は浴槽5分・出浴後10分座位とする。」

中止したときも、必ず記録してください。 「体温37.8℃のため入浴中止、清拭に変更」。
中止の記録がないと、中止基準が機能しているか分かりません。 そして「なぜ入れなかったのか」をご家族に説明できません。

数えて、基準を見直す

月1回、中止した数事故の数を、両方見てください。片方だけでは基準は決まりません。

こうなっていたら考えること(一例)
中止が多すぎる基準が一律すぎるかもしれません。個別基準を作る方を洗い出す
中止がほとんどない測っていない/「たぶん大丈夫」で入れていないか
入浴後のふらつきが多い湯温・浴槽の時間・出たあとの休息時間を見直す
同じ方に集中その方の個別基準と、個別の入り方を作る
冬に集中脱衣所・浴室の温度。暖房を入れる時刻を決める

集計表は 様式のダウンロード から印刷して使えます。

ご家族への報告

いつ何を
すぐ報告沈んだ/倒れた/やけど/受診した/救急搬送した
その日のうちのぼせた/転倒した/入浴中に体調が悪くなった/入浴を中止した
定期的に入浴を嫌がる日が続く/入浴後のふらつきが増えた/皮ふの状態
誰が管理者または看護師。介助していた職員ひとりに説明させない

まとめ

この方は、どこに気をつける?

利用者さんの状態を選ぶと、注意する場面と部位が出ます。印刷して、カンファレンスの資料に使えます。

困りごとから調べる → 様式をダウンロード

根拠にした資料

個人の経験ではなく、公表されている資料をもとに整理しています。
  • 厚生労働省「介護保険施設等における事故の発生又はその再発を防止するための指針」に関する基準・通知
  • 厚生労働省「介護保険施設等における事故報告様式の統一化について」(令和3年3月19日 老高発0319第1号ほか)
  • 消費者庁・独立行政法人国民生活センター 高齢者の入浴中の事故(溺水・熱中症様症状)に関する注意喚起
  • 厚生労働省「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について」(平成17年7月26日 医政発第0726005号)
  • 日本蘇生協議会(JRC)蘇生ガイドライン 一次救命処置・AEDの使用
この記事について 一般的な情報提供を目的としています。医療・介護の判断を代替するものではありません。 施設によって、利用者さんによって、正しいやり方は変わります。ここに書いたことが、そのまま当てはまるとは限りません。 手順・寸法・時間は、すべて目安一例です。 判断に迷うこと、いつもと違うと感じたことは、看護師・医師にご相談ください。 実際の対応は、所属施設の規程および、医師・看護師の指示に従ってください。制度・基準は改正されることがあります。
ベトナム語 参考訳です。母語話者による確認は受けていません。誤りにお気づきの方はご連絡ください。