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誤薬

飲ませ忘れも誤薬です — 報告しないと何が起きるか

「飲ませ忘れ」は、誤薬の6つのパターンのひとつです。まちがえて飲ませたのと同じ重さで扱ってください。

飲ませなかったことを言わないでいると、次の人が「飲んだ」と思って記録します。 あとで血圧や血糖の数値がおかしくなったとき、誰にも原因が分かりません。

最終更新:2026年8月 / 高齢者支援実務研究所

もくじ

  1. 誤薬には6つのパターンがあります
  2. 言わないと、何が起きるか
  3. 飲ませられなかったときの、場面べつの対応
  4. 残薬を数えると、記録のうそが分かります
  5. 飲ませ忘れを減らす、仕組みのほう
  6. ヒヤリハットとしても出してください
  7. まとめ

誤薬には6つのパターンがあります

パターンよくある原因危険度
① 他の人の薬を飲ませた似た名前/同姓/席が近い/トレイの並び最も危険。何を飲んだか分かりにくい
② 時間をまちがえた食前・食後・食間の取りちがえ薬による。血糖の薬は危険
③ 量をまちがえた包を1つ余分に/半錠の指示を見落とし薬による
④ 飲ませ忘れた寝ていた/拒否された/あとで、と思った薬による。忘れも誤薬です
⑤ 中止の薬を飲ませた変更の伝達もれ/古い一包化が残っていた危険
⑥ 2回飲ませた(重複)記録を見ずに配った/申し送りもれ危険

言わないと、何が起きるか

次の人が「飲んだ」と思って記録します。

数値がおかしくなったとき、原因が誰にも分からなくなります。

血圧の薬を1回抜けば、血圧は上がります。糖尿病の薬を1回抜けば、血糖は上がります。 そこで医師が「効いていない」と判断すれば、薬が増えることさえあります。

飲ませ忘れを報告することは、その方の治療を守ることです。職員を守る話でもありますが、それ以前に、その方のための話です。

飲ませられなかったときの、場面べつの対応

場面やること
寝ていた起こしてまで飲ませない(誤嚥の危険)。記録して看護師の指示を仰ぐ
拒否された無理に入れない(誤嚥・虐待になります)。時間をおいて再度/飲まなかったことを必ず記録・報告/くり返すなら剤形の変更を医師に相談
「あとで」と思って忘れた気づいた時点ですぐ報告。自分で飲ませ直さない
受診・入浴と重なった戻ってから飲ませてよいかは看護師の判断。時間の指示がある薬があります
飲んだか分からない「分からない」と報告する。「たぶん飲んだ」と書かない

飲まなかった分をどうするかの判断は、介護職はできません。 あとで足す、次にまとめて飲ませる、半分だけ飲ませる。どれも医療の判断です。 報告して、指示を受けてください。

残薬を数えると、記録のうそが分かります

記録では「飲んだ」ことになっているのに、薬が余っている。逆に、記録より薬が減っている。

これは責める材料ではなく、仕組みの問題を見つける材料です。月1回、必ず数えてください。

飲ませ忘れを減らす、仕組みのほう

起きやすい場面仕組みで変えること(一例)
寝ていて後回しにした後回しにした人を記録に残す欄を作る。次の勤務者が引き継げます
拒否がくり返される剤形の変更を医師・薬剤師に相談(OD錠・散剤・液体・貼り薬など)
薬の数が多い薬剤師に「減らせないか」を相談する。誤薬対策でいちばん効くのは、そもそも薬を減らすことです
忙しい時間に重なる配薬の時間をずらせないか。朝の業務の順番を見直す
引き継ぎで落ちるホワイトボードに「未投与」を書く運用にする(口頭だけにしない)

薬剤師に相談できます。 一包化の印字を大きくする、時間帯を色分けする、飲みにくい薬を別の形に変える、飲む回数を減らせないか医師に提案する。 施設に来る薬剤師に、遠慮なく相談してください。

ヒヤリハットとしても出してください

「危うく飲ませ忘れるところだった」「配る直前に、未投与のままなのに気づいた」。 これは事故ではなくヒヤリハットです。3行でかまいません。

「8/25 20:10 〇〇様の夕食後薬が未投与のまま残っているのを、消灯前の確認で見つけた。夕食時に入浴が重なっていた。」

こうした報告が30件たまると、入浴と配薬の時間が重なっていることが分かります。1件では分かりません。 書き方は ヒヤリハットは3行でいい をご覧ください。

まとめ

この方は、どこに気をつける?

利用者さんの状態を選ぶと、注意する場面と部位が出ます。印刷して、カンファレンスの資料に使えます。

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根拠にした資料

個人の経験ではなく、公表されている資料をもとに整理しています。
  • 厚生労働省「介護保険施設等における事故の発生又はその再発を防止するための指針」に関する基準・通知
  • 厚生労働省「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について」(平成17年7月26日 医政発第0726005号)
  • 厚生労働省「介護保険施設等における事故報告様式の統一化について」(令和3年3月19日 老高発0319第1号ほか)
  • 公益財団法人日本医療機能評価機構 医療事故情報収集等事業(薬剤に関する報告書・再発防止に向けた提言)
  • 日本病院薬剤師会・日本薬剤師会 の一般向け資材(一包化・簡易懸濁法・粉砕の可否に関するもの)
この記事について 一般的な情報提供を目的としています。医療・介護の判断を代替するものではありません。 施設によって、利用者さんによって、正しいやり方は変わります。ここに書いたことが、そのまま当てはまるとは限りません。 手順・寸法・時間は、すべて目安一例です。 判断に迷うこと、いつもと違うと感じたことは、看護師・医師にご相談ください。 実際の対応は、所属施設の規程および、医師・看護師の指示に従ってください。制度・基準は改正されることがあります。
ベトナム語 参考訳です。母語話者による確認は受けていません。誤りにお気づきの方はご連絡ください。